人中ボトックスの効果
唇形成のメカニズムと持続期間【2026年版】

人中ボトックスは上唇挙筋への注入で人中の見かけ短縮効果を狙う施術で、効果の出はじめは2〜7日、持続期間は3〜6ヶ月程度です。

2〜7日効果を実感
3〜6ヶ月持続期間
1〜2mm人中短縮幅
2〜4単位標準注入量
人中ボトックスの効果と上唇挙筋の解剖図
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人中ボトックスは、上唇挙筋(じょうしんきょきん)にボツリヌストキシンを注入することで上唇を少し持ち上げ、人中を見た目で1〜2mmほど短く見せる施術です。効果は2〜7日ほどで感じ始め、最大効果は2〜4週、持続は3〜6ヶ月くらいが目安になります。注入量は2〜4単位が一般的で、人中切開術と比べてダウンタイムがほぼなく、効果が消えれば元に戻るのが特徴です。ただし変化は控えめなので、しっかり短くしたい場合は手術も選択肢になります。満足度はもとの顔立ちや骨格によって変わってきて、笑ったときに上の歯があまり見えない方は効果を感じやすい傾向があります。

参考:PubMed掲載論文・PMDA資料・症例報告(編集部整理)
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未承認医薬品・適応外使用に関する重要な情報開示

本記事で解説する施術には、厚生労働省「医療広告ガイドライン(令和6年3月改訂)」に基づき、以下4項目の情報提供が必要です。

  1. 未承認医薬品であること:日本の美容クリニックで使用される韓国製ボツリヌストキシン製剤(ナボタ®・ボツラックス®・コアトックス®・ニューロノックス®・リジェノックス®・イノトックス®等)は、日本の医薬品医療機器等法(薬機法)上の承認を取得していません。
  2. 入手経路:各クリニックが医師の個人輸入または並行輸入により調達し、自由診療で使用しています。
  3. 国内承認医薬品の有無:国内同一成分の承認品として、Allergan社「ボトックスビスタ®」(A型ボツリヌストキシン製剤)が存在します。ただしボトックスビスタ®の承認適応は「眉間の表情皺(2009年承認)」および「目尻の表情皺(2016年承認)」に限定されており、咬筋・口角・人中・顎・小鼻などの部位への使用はすべて適応外使用(オフラベル使用)となります。
  4. 諸外国における安全性情報:韓国製の製剤は韓国食品医薬品安全処(MFDS)の承認を取得しており、韓国・アジア圏で広く使用されています。ただし、日本国内での臨床試験・厳密な流通品質管理・国内副作用報告体制の対象ではないため、重大なリスクが十分明らかになっていない可能性があります。万一重篤な副作用が発生した場合、日本の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる点に留意が必要です。

施術を検討される方は、使用製剤の承認状況・適応範囲・補償体制について、事前に医師へ必ず確認してください。

人中ボトックスの作用機序

人中ボトックスは鼻下〜上唇間の上唇挙筋複合体へボツリヌストキシンを注入し、筋収縮を一時的に抑制することで上唇を相対的に持ち上げる施術です。人中ボトックス完全ガイドで施術全体の概要を確認できます。

注入対象筋は主に3つあり、筋肉のつき方によって注入する場所を調整していきます。

注入対象筋作用標準単位数
上唇挙筋(じょうしんきょきん)
上唇を引き上げる筋肉
上唇全体を上方挙上1〜2単位×左右
上唇鼻翼挙筋(じょうしんびよくきょきん)
小鼻と上唇を引き上げる筋肉
鼻翼〜上唇の上方牽引0.5〜1単位×左右
口輪筋(こうりんきん)上部
唇のまわりを囲む筋肉
上唇外反増強(リップフリップ:上唇を軽く外側へめくる)1〜2単位

押さえておきたいこと:注入総量は2〜4単位が一般的で、これ以上の単位では上唇下垂・笑顔のひきつり・発音障害のリスクが高まります。口角ボトックスの効果と異なり、人中ボトックスは「単位を多く入れれば効果が増す」というわけではありません。

効果が出るまでのタイムライン

ボツリヌストキシンの作用発現は注入後の時間経過に依存し、人中ボトックスでは以下のように変化していきます。エラボトックスの効果と類似しますが、対象となる筋肉が小さいため、効果が出るタイミングはやや早い傾向があります。

時期変化感じ方の例
0〜2日変化なし〜軽度「変わらない」
3〜7日効果が出はじめる「上唇が少し上がった気がする」
1〜2週効果増強「人中が短く見える」
2〜4週最大効果「笑顔で歯がよく見える」
1〜3ヶ月効果安定「変化が日常に馴染む」
3〜6ヶ月効果減弱〜消失「元に戻ってきた」
人中ボトックスの効果と注入部位の解剖図

人中短縮効果の実測値

人中ボトックスによる短縮効果は控えめで、皮膚〜筋膜レベルでの実測値として1〜2mmの人中長短縮がみられます。これは見かけの効果として上歯露出量増加(笑顔時)と組み合わさり、視覚的にも印象的な変化につながります。

人中切開術との効果比較

施術人中短縮幅持続期間ダウンタイム料金相場
人中ボトックス1〜2mm(見かけ)3〜6ヶ月ほぼなし¥11,000〜¥33,000
ヒアルロン酸(リップ上方)1〜3mm(見かけ)6〜12ヶ月1〜3日¥55,000〜¥110,000
人中切開術3〜7mm(実測)永続1〜2週間¥220,000〜¥550,000

満足度を左右する解剖学的条件

人中ボトックスの効果の出方は、もとの顔立ちや骨格によって大きく変わります。次のような条件で満足度が分かれることが多いです。

効果を感じやすい方

効果を感じにくい方

注意:ガミースマイル傾向の方が人中ボトックスを過剰注入すると、上歯露出がさらに増加し逆効果となる場合があります。ガミースマイルボトックスの使い分けが大切です。

持続期間と再注入のタイミング

人中ボトックスの持続期間は3〜6ヶ月で、再注入のタイミングは、効果が薄れてきたなと感じ始める時期が目安です。目尻ボトックスと同様、初回より2回目以降の方が持続期間が延びる傾向がみられることがあります(耐性ではなく筋萎縮による)。

注入回数平均持続期間再注入推奨時期
初回3〜4ヶ月3.5〜4ヶ月後
2回目4〜5ヶ月4〜4.5ヶ月後
3回目以降5〜6ヶ月5〜5.5ヶ月後

効果が出ないケースの原因

「人中ボトックスを受けたけれど効果を感じない」というケースの原因として、次のようなものが挙げられます。

CASE 01

注入量不足

単位数を控えめにしすぎて(1〜2単位以下)、上唇挙筋への作用が足りなくなるケース。「副作用が怖い」と医師が単位数を保守的に設定した場合に発生しやすいです。

CASE 02

骨格的限界

上顎骨自体が前に出ているケースや、上唇の皮膚がかなり厚い方では、ボトックスの筋抑制だけでは改善が難しいとされています。骨切り術や人中切開術の適応と判断される場合があります。

CASE 03

製剤耐性

複数回ボトックス注入を繰り返している方では、ごく稀に中和抗体産生による効果減弱がみられることがあります。発生頻度は0.5%以下で、製剤を変えることで改善することもあります。

副作用と注意点

人中ボトックスは副作用が比較的軽度で安全性の高い施術ですが、以下の副作用もあります。安全性ガイドで全般的なリスク管理を確認できます。

副作用発生頻度持続期間
注入部位の腫れ・内出血10〜20%3〜7日
上唇のしびれ感5〜10%1〜2週
上唇のひきつり感2〜5%1ヶ月以内
発音障害(軽度)1〜3%2〜4週
左右差3〜8%3〜6ヶ月
上唇下垂(重度)0.5%以下3〜6ヶ月

FAQ|よくある質問

人中ボトックスはどのくらい効果がある?

人中の見かけ短縮幅は1〜2mmです。実測の人中長は変わらず、上唇挙上による視覚効果です。根本的な人中短縮を希望する場合は人中切開術(3〜7mm短縮)が選択肢になります。

何回繰り返せば効果が定着する?

ボトックスは作用機序上、効果が永続することはなく毎回3〜6ヶ月で消失します。ただし2回目以降は持続期間が延びる傾向がみられ、これは筋萎縮(廃用性萎縮:使わない筋肉が小さくなる現象)による変化です。完全に定着させたい場合は、人中切開術が選択肢になります。

人中ボトックス後すぐに笑える?

注入後1〜2時間ほどで日常生活に支障はありません。ただし注入後4時間は強い力みを避け、24時間は仰向け以外の姿勢(うつ伏せ・横向き就寝)を控えることが推奨されています。口角ボトックスのダウンタイムと同等の管理が一般的です。

他の部位ボトックスとの併用は可能?

エラ・口角・眉間など他部位ボトックスとの同日施術は理論上可能で、実際多くのクリニックで併用されています。ただし総注入単位が50単位を超える場合は副作用リスクが上がるため、分割施術が推奨されることがあります。

マスクが必要な期間は?

注入直後の腫れ・内出血が目立つ期間(3〜7日)はマスク着用が一般的です。最大効果が出る2〜4週時点では特に隠す必要はありません。

効果に満足できなかった場合の対応は?

注入後2〜4週で最大効果を確認し、それでも不十分な場合は追加注入またはヒアルロン酸併用が検討されます。再施術料金は¥5,500〜¥16,500が相場です。人中ボトックス完全ガイドで部位別の選択肢を確認できます。

関連ガイド

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参考文献

  1. Carruthers JD, Carruthers JA. Treatment of glabellar frown lines with C. botulinum-A exotoxin. J Dermatol Surg Oncol. 1992;18(1):17-21. PMID: 1740562
  2. Li Y, Chong Y, Yu N, Dong R, Long X. The use of botulinum toxin A in upper lip augmentation. J Cosmet Dermatol. 2021;20(1):71-74. PMID: 32969573
  3. Han Y, Niu Z, Ma T, et al. Three-dimensional measurement and analysis of botulinum toxin A injection for improving the aesthetic appearance of upper lip. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2021;74(11):3196-3211. PMID: 34217650
  4. 厚生労働省「医療広告ガイドライン」(令和6年3月改訂)→ 厚労省サイト
  5. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)医薬品情報→ PMDAサイト
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