人中ボトックスは上唇挙筋への注入で人中の見かけ短縮効果を狙う施術で、効果の出はじめは2〜7日、持続期間は3〜6ヶ月程度です。
人中ボトックスは、上唇挙筋(じょうしんきょきん)にボツリヌストキシンを注入することで上唇を少し持ち上げ、人中を見た目で1〜2mmほど短く見せる施術です。効果は2〜7日ほどで感じ始め、最大効果は2〜4週、持続は3〜6ヶ月くらいが目安になります。注入量は2〜4単位が一般的で、人中切開術と比べてダウンタイムがほぼなく、効果が消えれば元に戻るのが特徴です。ただし変化は控えめなので、しっかり短くしたい場合は手術も選択肢になります。満足度はもとの顔立ちや骨格によって変わってきて、笑ったときに上の歯があまり見えない方は効果を感じやすい傾向があります。
参考:PubMed掲載論文・PMDA資料・症例報告(編集部整理)人中ボトックスは鼻下〜上唇間の上唇挙筋複合体へボツリヌストキシンを注入し、筋収縮を一時的に抑制することで上唇を相対的に持ち上げる施術です。人中ボトックス完全ガイドで施術全体の概要を確認できます。
注入対象筋は主に3つあり、筋肉のつき方によって注入する場所を調整していきます。
| 注入対象筋 | 作用 | 標準単位数 |
|---|---|---|
| 上唇挙筋(じょうしんきょきん) 上唇を引き上げる筋肉 | 上唇全体を上方挙上 | 1〜2単位×左右 |
| 上唇鼻翼挙筋(じょうしんびよくきょきん) 小鼻と上唇を引き上げる筋肉 | 鼻翼〜上唇の上方牽引 | 0.5〜1単位×左右 |
| 口輪筋(こうりんきん)上部 唇のまわりを囲む筋肉 | 上唇外反増強(リップフリップ:上唇を軽く外側へめくる) | 1〜2単位 |
押さえておきたいこと:注入総量は2〜4単位が一般的で、これ以上の単位では上唇下垂・笑顔のひきつり・発音障害のリスクが高まります。口角ボトックスの効果と異なり、人中ボトックスは「単位を多く入れれば効果が増す」というわけではありません。
ボツリヌストキシンの作用発現は注入後の時間経過に依存し、人中ボトックスでは以下のように変化していきます。エラボトックスの効果と類似しますが、対象となる筋肉が小さいため、効果が出るタイミングはやや早い傾向があります。
| 時期 | 変化 | 感じ方の例 |
|---|---|---|
| 0〜2日 | 変化なし〜軽度 | 「変わらない」 |
| 3〜7日 | 効果が出はじめる | 「上唇が少し上がった気がする」 |
| 1〜2週 | 効果増強 | 「人中が短く見える」 |
| 2〜4週 | 最大効果 | 「笑顔で歯がよく見える」 |
| 1〜3ヶ月 | 効果安定 | 「変化が日常に馴染む」 |
| 3〜6ヶ月 | 効果減弱〜消失 | 「元に戻ってきた」 |
人中ボトックスによる短縮効果は控えめで、皮膚〜筋膜レベルでの実測値として1〜2mmの人中長短縮がみられます。これは見かけの効果として上歯露出量増加(笑顔時)と組み合わさり、視覚的にも印象的な変化につながります。
| 施術 | 人中短縮幅 | 持続期間 | ダウンタイム | 料金相場 |
|---|---|---|---|---|
| 人中ボトックス | 1〜2mm(見かけ) | 3〜6ヶ月 | ほぼなし | ¥11,000〜¥33,000 |
| ヒアルロン酸(リップ上方) | 1〜3mm(見かけ) | 6〜12ヶ月 | 1〜3日 | ¥55,000〜¥110,000 |
| 人中切開術 | 3〜7mm(実測) | 永続 | 1〜2週間 | ¥220,000〜¥550,000 |
人中ボトックスの効果の出方は、もとの顔立ちや骨格によって大きく変わります。次のような条件で満足度が分かれることが多いです。
注意:ガミースマイル傾向の方が人中ボトックスを過剰注入すると、上歯露出がさらに増加し逆効果となる場合があります。ガミースマイルボトックスの使い分けが大切です。
人中ボトックスの持続期間は3〜6ヶ月で、再注入のタイミングは、効果が薄れてきたなと感じ始める時期が目安です。目尻ボトックスと同様、初回より2回目以降の方が持続期間が延びる傾向がみられることがあります(耐性ではなく筋萎縮による)。
| 注入回数 | 平均持続期間 | 再注入推奨時期 |
|---|---|---|
| 初回 | 3〜4ヶ月 | 3.5〜4ヶ月後 |
| 2回目 | 4〜5ヶ月 | 4〜4.5ヶ月後 |
| 3回目以降 | 5〜6ヶ月 | 5〜5.5ヶ月後 |
「人中ボトックスを受けたけれど効果を感じない」というケースの原因として、次のようなものが挙げられます。
単位数を控えめにしすぎて(1〜2単位以下)、上唇挙筋への作用が足りなくなるケース。「副作用が怖い」と医師が単位数を保守的に設定した場合に発生しやすいです。
上顎骨自体が前に出ているケースや、上唇の皮膚がかなり厚い方では、ボトックスの筋抑制だけでは改善が難しいとされています。骨切り術や人中切開術の適応と判断される場合があります。
複数回ボトックス注入を繰り返している方では、ごく稀に中和抗体産生による効果減弱がみられることがあります。発生頻度は0.5%以下で、製剤を変えることで改善することもあります。
人中ボトックスは副作用が比較的軽度で安全性の高い施術ですが、以下の副作用もあります。安全性ガイドで全般的なリスク管理を確認できます。
| 副作用 | 発生頻度 | 持続期間 |
|---|---|---|
| 注入部位の腫れ・内出血 | 10〜20% | 3〜7日 |
| 上唇のしびれ感 | 5〜10% | 1〜2週 |
| 上唇のひきつり感 | 2〜5% | 1ヶ月以内 |
| 発音障害(軽度) | 1〜3% | 2〜4週 |
| 左右差 | 3〜8% | 3〜6ヶ月 |
| 上唇下垂(重度) | 0.5%以下 | 3〜6ヶ月 |
人中の見かけ短縮幅は1〜2mmです。実測の人中長は変わらず、上唇挙上による視覚効果です。根本的な人中短縮を希望する場合は人中切開術(3〜7mm短縮)が選択肢になります。
ボトックスは作用機序上、効果が永続することはなく毎回3〜6ヶ月で消失します。ただし2回目以降は持続期間が延びる傾向がみられ、これは筋萎縮(廃用性萎縮:使わない筋肉が小さくなる現象)による変化です。完全に定着させたい場合は、人中切開術が選択肢になります。
注入後1〜2時間ほどで日常生活に支障はありません。ただし注入後4時間は強い力みを避け、24時間は仰向け以外の姿勢(うつ伏せ・横向き就寝)を控えることが推奨されています。口角ボトックスのダウンタイムと同等の管理が一般的です。
エラ・口角・眉間など他部位ボトックスとの同日施術は理論上可能で、実際多くのクリニックで併用されています。ただし総注入単位が50単位を超える場合は副作用リスクが上がるため、分割施術が推奨されることがあります。
注入直後の腫れ・内出血が目立つ期間(3〜7日)はマスク着用が一般的です。最大効果が出る2〜4週時点では特に隠す必要はありません。
注入後2〜4週で最大効果を確認し、それでも不十分な場合は追加注入またはヒアルロン酸併用が検討されます。再施術料金は¥5,500〜¥16,500が相場です。人中ボトックス完全ガイドで部位別の選択肢を確認できます。