GLP-1ダイエット薬の比較
5剤の違いと「どれが痩せるか」

マンジャロ・オゼンピック・リベルサス・ウゴービ・ゼップバウンド——名前は違っても、有効成分は2種類に集約されます。成分・適応・保険・痩せる量の違いを、直接比較試験を含む臨床研究をもとに見ていきます。「結局どれを選べばいいのか」を、独立ガイドが解説します。

2成分5つの製品名の正体
20.2%対13.7%直接比較・72週の減量幅
適応で分岐自費か保険か
GLP-1ダイエット薬5剤の比較ガイドの図版
広告なし・独立編集
ClinicJapan編集部は、皮膚科専門医によるサイト方針監修のもと、PubMed収載論文・公開された医療文献・厚生労働省「医療広告ガイドライン」を整理して情報を作成・更新しています。本記事は医薬品の適応外(オフラベル)使用を含むテーマを扱うため、必ず医師の診察・処方のうえでの検討を前提としています。編集方針について →

このページの位置づけ:GLP-1ダイエット薬5剤を横断的に比較するページです。各薬剤の詳細はマンジャロ完全ガイドリベルサス完全ガイドオゼンピック完全ガイドに、全体のしくみはGLP-1ダイエット完全ガイドにまとめています。本ページは「成分・適応・効果の違い」と「選び方」に絞って解説します。

iClinicJapanは厚生労働省の医療広告ガイドラインに沿って記事を作成しています。 詳細はこちら →

医薬品・適応外使用に関する重要な情報開示

本記事で扱うGLP-1受容体作動薬に関して、厚生労働省「医療広告ガイドライン(令和6年3月改訂)」に基づき、以下の情報提供が必要です。

  1. 自由診療・適応外(オフラベル)使用:マンジャロ(チルゼパチド)・オゼンピック/リベルサス(セマグルチド)は、日本国内では2型糖尿病の治療薬として承認された医薬品です。痩身・ダイエット目的での使用は国内では承認されていない適応外使用であり、保険適用外の自由診療となります。
  2. 肥満症としての承認薬:ウゴービ(セマグルチド)・ゼップバウンド(チルゼパチド)は肥満症治療薬として承認されており、一定の基準を満たす場合に保険診療の対象となります。
  3. 未承認医薬品の個人輸入:ダイエット目的で処方される製剤には、医師の個人輸入により調達された国内未承認の医薬品が含まれる場合があります。
  4. 救済制度:万一重篤な副作用が発生した場合、適応外使用または未承認医薬品の使用については、日本の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

必ず医師の診察を受け、適応・用量・副作用について十分な説明を受けたうえでご検討ください。

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GLP-1シリーズ 横断比較

結論:5つの名前は「2つの成分」に集約される

マンジャロ、オゼンピック、リベルサス、ウゴービ、ゼップバウンド——GLP-1ダイエットを調べると、似たような名前が次々に出てきて混乱しがちです。しかし結論から言うと、この5つの製品の有効成分は、たった2種類に集約されます。セマグルチドとチルゼパチドです。製品名が違うのは、メーカー・剤形(注射か飲み薬か)・承認された病名(糖尿病か肥満症か)が異なるためで、薬としての中身は重複しています。まずこの「成分の地図」を持つことが、5剤を理解する最短ルートです。

GLP-1ダイエット薬5剤は、セマグルチド系(オゼンピック・リベルサス・ウゴービ)チルゼパチド系(マンジャロ・ゼップバウンド)の2グループに分かれます。肥満を対象とした直接比較試験SURMOUNT-5(72週)では、チルゼパチドが平均20.2%、セマグルチドが13.7%の体重減少で、チルゼパチドが上回りました(PMID: 40353578)。ただし「どれが自分に合うか」は、効果だけでなく注射か内服か・適応外か保険適用か・費用で変わります。各薬剤の詳細はマンジャロリベルサスの各ガイドをご覧ください。

出典:Aronne LJ, et al. 2025(PMID: 40353578)/ClinicJapan編集部調べ

まず整理|製品名と成分の対応表

5つの製品名がどの成分・どの適応に対応するかを、一覧で整理します。この表を頭に入れておくと、クリニックの説明やネット上の情報がぐっと読みやすくなります。ポイントは、「同じ成分でも、糖尿病薬として売られているか、肥満症薬として売られているか」で名前と保険の扱いが変わるという点です。

製品名有効成分剤形日本での承認ダイエット目的
マンジャロチルゼパチド週1回 注射2型糖尿病適応外(自費)
ゼップバウンドチルゼパチド(同一)週1回 注射肥満症条件付きで保険
オゼンピックセマグルチド週1回 注射2型糖尿病適応外(自費)
リベルサスセマグルチド(同一)1日1回 飲み薬2型糖尿病適応外(自費)
ウゴービセマグルチド(同一)週1回 注射肥満症条件付きで保険

このように、チルゼパチド=マンジャロ/ゼップバウンドセマグルチド=オゼンピック/リベルサス/ウゴービという対応になっています。マンジャロとゼップバウンドは中身が同じ薬で、糖尿病用か肥満症用かという「適応の違い」だけ。オゼンピックとウゴービも同様の関係です。リベルサスだけは、セマグルチドを飲み薬にした製剤という点で剤形が異なります。成分ごとの作用の違いはGLP-1完全ガイドで詳しく解説しています。

GLP-1ダイエット薬5剤を成分(セマグルチドとチルゼパチド)別に分類した対応図
製品名と成分・適応の対応イメージ(CLINIC JAPAN作成)

どれが一番痩せるか|SURMOUNT-5の直接比較

もっとも知りたい「どれが一番痩せるのか」については、長らく試験ごとの数値を間接的に比べるしかありませんでした。しかし2025年、チルゼパチドとセマグルチドを同じ試験内で直接比較したSURMOUNT-5試験の結果が報告され、状況が変わりました。糖尿病のない肥満の成人751名を対象に、72週間投与した結果、チルゼパチド群は平均20.2%、セマグルチド群は13.7%の体重減少で、チルゼパチドが統計的に有意に上回りました(PMID: 40353578)。これは「同じ土俵での比較」であるため、信頼性が高いデータです。

試験成分(製品名)体重減少(平均)
SURMOUNT-5(直接比較・72週)チルゼパチド(マンジャロ/ゼップバウンド)約20.2%
セマグルチド(オゼンピック/ウゴービ)約13.7%
SURMOUNT-1(チルゼパチド単独・72週)チルゼパチド 15mg約22.5%
STEP-1(セマグルチド単独・68週)セマグルチド 2.4mg約14.9%

参考までに、各成分を単独で評価した試験では、チルゼパチドのSURMOUNT-1(72週)で15mg群が平均22.5%(PMID: 35658024)、セマグルチドのSTEP-1(68週)で2.4mg群が平均14.9%(PMID: 33567185)の減量が報告されています。試験デザインや対象が異なるため単純比較はできませんが、直接比較・間接比較のいずれでも、チルゼパチドのほうが減量幅が大きい傾向が一貫しています。効果の出方の詳細はマンジャロの効果ページで解説しています。

注意:これらは「肥満症・過体重」を対象にした試験の数値です。日本人の2型糖尿病患者を対象としたSURPASS J-monoでは、チルゼパチドの減量幅はより小さく報告されています(PMID: 39891527)。対象集団・もとの体格・併用する生活指導によって実際の減り方は大きく変わるため、「海外の最大値がそのまま自分に当てはまる」とは考えないことが大切です。

SURMOUNT-5・SURMOUNT-1・STEP-1における平均体重減少率を比較した棒グラフ
主要試験における平均体重減少率の比較イメージ(CLINIC JAPAN作成)

マンジャロとオゼンピックの違い

注射薬として人気が二分するのが、マンジャロ(チルゼパチド)とオゼンピック(セマグルチド)です。最大の違いは作用するホルモンの数です。オゼンピックはGLP-1という1つのホルモン受容体に作用しますが、マンジャロはGLP-1に加えてGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)にも作用するデュアル作用を持ちます。この2経路への作用が、より大きな減量幅につながると考えられています。両剤の詳細はマンジャロ完全ガイドオゼンピック完全ガイドをご覧ください。

マンジャロオゼンピック
成分チルゼパチドセマグルチド
作用GLP-1+GIP(デュアル)GLP-1単独
減量幅(試験)大きい傾向マンジャロより控えめ
投与週1回 注射週1回 注射
日本の適応2型糖尿病(痩身は適応外)2型糖尿病(痩身は適応外)

興味深いことに、SURMOUNT-5試験では消化器系の副作用による中止は、むしろセマグルチド群(5.6%)のほうがチルゼパチド群(2.7%)より多かったと報告されています(PMID: 40353578)。「効果が大きい薬=副作用も必ず強い」とは限らない一例です。ただし両剤とも吐き気・下痢などの消化器症状が中心であることは共通しており、副作用の詳細はマンジャロの副作用ページを参照してください。

この2剤の違いだけをさらに詳しく知りたい方は、オゼンピックとマンジャロの違いで、作用機序・効果・副作用を掘り下げて解説しています。

注射と飲み薬の違い|リベルサスの位置づけ

「注射は苦手」という方にとって重要なのが、飲み薬という選択肢です。現在、GLP-1ダイエット薬で経口薬として使えるのはリベルサス(経口セマグルチド)のみです。成分はオゼンピック・ウゴービと同じセマグルチドですが、毎日1回、空腹時に水で服用するという使い方が異なります。注射への抵抗感が強い方の入り口として選ばれることが多い薬です。

ただし、飲み薬には注意点もあります。経口セマグルチドは吸収率が低く、起床後すぐ・空腹時にコップ約半分(120mL以下)の水で服用し、その後30分は飲食しないといった服用ルールを守る必要があります。これを守れないと効果が十分に出ません。また、臨床試験の数値を見るかぎり、減量幅は注射薬のほうが大きい傾向があります。「利便性(飲み薬)」と「効果の大きさ(注射)」のどちらを優先するかが選択のポイントになります。リベルサスの飲み方の詳細はリベルサスの効果ページで解説しています。

飲み薬が向く人:注射に強い抵抗がある/まずは手軽に試したい/服用ルールを守れる。

注射が向く人:減量幅を重視する/毎日の服用より週1回が楽/飲み忘れが心配。

ウゴービとゼップバウンド|保険で使える肥満症薬

ここまでのマンジャロ・オゼンピック・リベルサスは、いずれも糖尿病薬を痩身目的に転用する「適応外(自費)」でした。一方、ウゴービ(セマグルチド)とゼップバウンド(チルゼパチド)は、最初から「肥満症の治療薬」として承認された薬です。つまり成分は既存薬と同じでも、肥満症という病気の治療として、条件を満たせば保険診療で受けられる道があります。これは「適応外の自費処方」とは根本的に位置づけが異なります。

ウゴービゼップバウンド
成分セマグルチドチルゼパチド
同成分の糖尿病薬オゼンピック/リベルサスマンジャロ
承認肥満症肥満症
減量幅セマグルチド系やや大きい傾向(チルゼパチド系)
保険条件を満たせば適用条件を満たせば適用

ただし、保険適用にはBMIや合併症に関する厳しい条件があり、一般にBMIが高い(例:35以上、またはBMI27以上で複数の健康障害を併存)こと、食事・運動療法を一定期間行っても改善しないこと、専門の医療機関で受けることなどが求められます。さらに処方できる施設や医師の要件も設定されており、総合病院・大学病院などが中心になります。「美容目的で少し痩せたい」というケースは基準を満たさず、結局マンジャロ等の適応外・自費処方になるのが実情です。自分が保険対象かどうかは、肥満症を扱う医療機関で相談してください。マンジャロとゼップバウンドの関係はマンジャロ完全ガイドでも整理しています。

同成分・適応違いの関係をさらに詳しく知りたい方はマンジャロとゼップバウンドの違い、保険肥満症薬どうしの直接比較はウゴービとゼップバウンドの違いで個別に解説しています。

結局どう選ぶか|目的別の考え方

5剤の違いを踏まえ、「自分はどれを検討すべきか」を目的別に整理します。大前提として、これらはすべて医師の診察・処方が必要な医薬品であり、自己判断での個人輸入は避けるべきです。そのうえで、考え方の軸は次の3つです。

美容・ダイエット目的で自費の適応外使用を検討する場合、費用は継続するほど積み上がります。目安として、内服のリベルサスは月8,000〜25,000円ほど、注射のオゼンピックは月15,000円前後から、マンジャロは2.5mgで月30,000円前後〜と、薬剤・用量・クリニックで幅があります(いずれも自費)。総額の考え方はマンジャロの値段ページ美容医療の費用相場で確認しておきましょう。また、全身ではなく特定の部位だけが気になる場合は、GLP-1ではなく脂肪溶解注射脂肪吸引といった局所アプローチのほうが向いていることもあります。「全身か部分か」「注射か内服か」「自費か保険か」で選択肢が分かれるため、GLP-1完全ガイドで全体像をつかんでから決めるのがおすすめです。

副作用の比較と注意点

5剤はいずれもGLP-1受容体に作用する薬であり、副作用のプロファイルは共通点が多いです。最も多いのは吐き気・下痢・便秘・食欲不振などの消化器症状で、多くは軽度〜中等度、増量期に出やすく、体が慣れると軽減する傾向があります。デュアル作用のチルゼパチドも、副作用の種類自体はセマグルチドと大きく変わりません。

一方で、頻度は低いものの重篤な副作用にも共通の注意が必要です。減量目的でのGLP-1受容体作動薬の使用については、急性膵炎・胃不全麻痺・腸閉塞などの消化器系の重篤な有害事象のリスクが報告されています(PMID: 37796527)。これは特定の1剤に限った話ではなく、クラス全体に当てはまる注意点です。各薬剤の危険性はマンジャロの危険性ページリベルサスの危険性ページで詳しく解説しています。

まとめると、GLP-1ダイエット薬は「セマグルチドかチルゼパチドか」「注射か飲み薬か」「適応外(自費)か肥満症(保険)か」という3つの軸で整理できます。臨床試験ではチルゼパチド系の減量幅が大きい傾向ですが、自分にとっての最適解は、目的・体格・費用・通いやすさで変わります。安全性ガイドカウンセリングガイドで、医師に確認すべきポイントを整理しています。

よくある質問

Q. GLP-1ダイエット薬で一番痩せるのはどれですか?
肥満を対象とした直接比較試験SURMOUNT-5(72週)では、チルゼパチド(マンジャロ/ゼップバウンドと同成分)が平均20.2%、セマグルチド(オゼンピック/ウゴービと同成分)が13.7%で、チルゼパチドが上回りました(PMID: 40353578)。ただし効果には個人差があり、注射か内服か・適応・費用も含めて選びます。
Q. マンジャロとオゼンピックは何が違いますか?
成分が異なります。マンジャロはチルゼパチド(GLP-1+GIPのデュアル作用)、オゼンピックはセマグルチド(GLP-1単独)です。臨床試験ではチルゼパチドのほうが減量幅が大きい傾向ですが、いずれも日本では2型糖尿病薬で、ダイエット目的は適応外使用です。
Q. オゼンピックとウゴービは同じ薬ですか?
有効成分はどちらもセマグルチドで同じです。違いは承認された病名で、オゼンピックは2型糖尿病、ウゴービは肥満症の治療薬です。ウゴービは条件を満たせば保険診療の対象になります。
Q. ウゴービやゼップバウンドは誰でも保険で使えますか?
いいえ。BMIや合併症に関する厳しい条件(例:高度肥満、複数の健康障害の併存、食事・運動療法での改善が不十分など)を満たし、専門の医療機関で受ける必要があります。美容目的の軽度なケースは対象外で自費となります。
Q. 飲み薬と注射はどちらを選べばよいですか?
飲み薬はリベルサス(経口セマグルチド)のみで、注射が苦手な方に向きます。ただし服用ルールがあり、減量幅は注射薬のほうが大きい傾向です。利便性を取るか効果を取るかで選びます。

参考文献・出典

学術文献(PubMed 収載論文)

  1. Aronne LJ, Horn DB, le Roux CW, et al. “Tirzepatide as Compared with Semaglutide for the Treatment of Obesity.” N Engl J Med. 2025;393(1):26-36. PMID: 40353578
  2. Jastreboff AM, Aronne LJ, Ahmad NN, et al. “Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity.” N Engl J Med. 2022;387(3):205-216. PMID: 35658024
  3. Wilding JPH, Batterham RL, Calanna S, et al. “Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity.” N Engl J Med. 2021;384(11):989-1002. PMID: 33567185
  4. Mimura H, Oura T, Chin R, et al. “Association of bodyweight loss with changes in lipids, blood pressure, and fasting serum glucose following tirzepatide treatment in Japanese participants with type 2 diabetes: A post hoc analysis of the SURPASS J-mono trial.” J Diabetes Investig. 2025;16(5):807-816. PMID: 39891527
  5. Sodhi M, Rezaeianzadeh R, Kezouh A, Etminan M. “Risk of Gastrointestinal Adverse Events Associated With GLP-1 Receptor Agonists for Weight Loss.” JAMA. 2023;330(18):1795-1797. PMID: 37796527

公的資料

学術文献はすべて PubMed収載論文を出典としています。

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