男性更年期(LOH症候群)とは?
症状チェックと受診の目安

男性更年期(LOH症候群)は、加齢などに伴うテストステロンの低下によって、性機能・身体・精神にさまざまな不調が現れる状態です。「年齢のせい」「気の持ちよう」と見過ごされやすい一方で、医療的に対応できる状態でもあります。この記事では、男性更年期の症状チェックの考え方、原因、似た症状との違い、受診の目安までを中立的に整理します。

テストステロン低下背景にある変化
性・身体・精神3領域の症状
受診先 泌尿器科など検査で確認
男性更年期(LOH症候群)の症状を性機能・身体・精神の3領域に分けて整理した医学的なイラスト
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ClinicJapan編集部は、皮膚科専門医によるサイト方針監修のもと、日本泌尿器科学会・日本性機能学会・厚生労働省・国民生活センターなど公開された情報を整理して作成・更新しています。本記事は一般的な情報提供を目的とし、診断・治療の代わりとなるものではありません。気になる症状は必ず医療機関でご確認ください。編集方針について →

このページの位置づけ:テストステロンとは(基礎)EDの原因ED治療とは

このページは、男性更年期(LOH症候群)の「症状チェックと受診の目安」にしぼった悩み解決ガイドです。ホルモンの基礎はテストステロンとはで扱っています。

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結論:症状が重なり生活に影響するなら受診を

「最近どうも調子が出ない」「疲れが抜けない」「気力がわかない」——中高年の男性が感じるこうした不調は、年齢や忙しさのせいと片付けられがちです。しかし、その背景にホルモンの変化が関わっていることがあります。それが、男性更年期(LOH症候群)です。

男性更年期(LOH症候群)とは、加齢などに伴うテストステロンの低下によって、性機能・身体・精神にさまざまな不調が現れる状態です。

性欲の低下やED、疲れやすさ、意欲の低下や気分の落ち込みなどが代表的で、これらが複数重なって生活に影響する場合に考えられます。診断には、症状の評価に加えて血液検査によるテストステロン値の確認が用いられます。

似た症状はうつ病や甲状腺の病気などでも起こるため、自己判断は禁物です。つらい症状が続く場合は、泌尿器科などで相談することが、適切な対応への第一歩になります。

出典:日本泌尿器科学会・日本メンズヘルス医学会 関連情報をもとに編集部作成

この記事では、男性更年期の原因、主な症状、セルフチェックの考え方、似た病気との違い、受診の目安と治療の流れまでを順に整理します。まず、テストステロンとの関係から見ていきましょう。ホルモンの基礎はテストステロンとはで詳しく扱っています。

男性更年期(LOH症候群)とは

男性更年期は、医学的には「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」と呼ばれます。テストステロンの低下と、それに伴う多様な症状を特徴とする状態です。

女性の更年期は、閉経をはさんでホルモンが比較的短期間に大きく変化するのが特徴です。これに対し男性の場合、テストステロンは加齢とともに緩やかに低下していくため、変化に気づきにくく、不調が長く続いてから「実はホルモンが関わっていた」とわかることもあります。発症する年齢にも幅があり、人によって現れ方が異なります。

長らく、男性の中高年の不調は「気の持ちよう」とされがちでした。しかし近年では、男性にもホルモンの変化による医学的な不調が起こりうることが広く認識されるようになり、医療的に対応できる状態として捉えられるようになっています。一人で抱え込まず、相談できる対象だと知っておくことには意味があります。

原因とテストステロンの関係

男性更年期の中心にあるのが、テストステロンの低下です。テストステロンは、筋肉や骨、性機能だけでなく、意欲や気分といった心の面にも関わるホルモンで、これが低下することで心身の幅広い不調につながると考えられています。

低下の要因は、加齢だけではありません。慢性的なストレス、睡眠不足、肥満、運動不足、過度の飲酒、生活習慣病など、さまざまな要因がテストステロンに影響しうるとされています。とくに、強いストレスにさらされ続ける生活は、年齢にかかわらずホルモンの低下を招くことがあり、比較的若い世代でも男性更年期に近い状態が起こりうると指摘されています。

つまり、男性更年期は「年を取れば誰もがなるもの」ではなく、生活のしかたや環境とも関わる状態です。だからこそ、生活習慣の見直しが対応の土台になります。テストステロンの役割や低下のサインはテストステロンとはで詳しく解説しています。

近年は、働き盛りの世代が強いストレスや不規則な生活の中で、男性更年期に近い不調を抱えるケースも注目されています。責任の重い立場や長時間労働、睡眠不足が続くと、年齢が比較的若くてもテストステロンが下がり、意欲の低下や疲労感として現れることがあります。「まだ若いから関係ない」と思い込まず、生活に無理がかかっていないかを振り返ることも、不調の背景を理解する手がかりになります。男性更年期は、中高年だけのものではなく、生活の状態次第で幅広い世代に関わりうる、という視点を持っておくとよいでしょう。

主な症状(3領域)

男性更年期の症状は、大きく「性機能」「身体」「精神」の3つの領域に分けて整理されます。

領域主な症状
性機能性欲の低下、ED(勃起の変化)、朝立ちの減少
身体疲れやすさ、筋力低下、体脂肪の増加、ほてり・発汗、関節や筋肉の痛み、睡眠の問題
精神意欲の低下、気分の落ち込み、イライラ、不安、集中力の低下

これらの症状は、どれか一つだけが現れることもあれば、複数が重なって現れることもあります。とくに、性機能・身体・精神の複数領域にまたがって症状が出ている場合は、男性更年期の可能性を考える手がかりになります。一方で、これらは単独ではほかの原因でも起こりうる、ありふれた不調でもあります。だからこそ、「重なっているか」「生活に影響しているか」が判断のポイントになります。

男性更年期の症状を性機能・身体・精神の3領域に分けて整理した図
男性更年期の症状の3領域(CLINIC JAPAN作成)

症状チェックの考え方

男性更年期の症状を振り返るためのセルフチェックは、受診を考えるきっかけとして役立ちます。医療現場でも、症状を評価するための質問票が用いられることがあります。ここでは、自分の状態を振り返るための観点を挙げます。

セルフチェックはあくまで目安であり、それだけで診断はできません。当てはまる項目が多くても、ほかの原因のこともあります。逆に、当てはまりが少なくても症状がつらければ受診の意味はあります。

大切なのは点数そのものより、「複数の不調が重なって生活に影響しているか」という視点です。気になる場合は、結果を持って医療機関に相談してみるとよいでしょう。

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AMS(Aging Males' Symptoms)スコア|男性更年期セルフチェック
国際的に使われるAMS質問票(17項目)にもとづくセルフチェックです。各項目について、最近の状態に最も近いものを選んでください。結果はこの画面で計算され、どこにも送信されません。

出典:Heinemann LAJ ほか「Aging Males' Symptoms(AMS)rating scale」、日本泌尿器科学会・日本メンズヘルス医学会「LOH症候群診療ガイドライン」の症状評価項目をもとに編集部が作成。判定区分は一般的な目安です。

なお、インターネット上には簡易なチェック表が多くありますが、結果を過度に重く受け止めたり、逆に「大丈夫」と安心しきったりするのは避けたいところです。チェックはあくまで対話のきっかけと位置づけ、最終的な判断は医師に委ねるのが安全です。上のセルフチェックも、点数の大小だけで判断せず、つらさが続くなら受診を考える材料としてご活用ください。

似た症状の病気との違い

男性更年期の症状は、ほかの病気と見分けがつきにくいことがあります。とくに注意が必要なのが、うつ病や甲状腺の病気です。

意欲の低下や気分の落ち込み、疲れやすさといった症状は、うつ病でも見られます。男性更年期だと思っていたら、実はうつ病だった、あるいはその逆、ということもありえます。また、甲状腺の機能低下でも、疲れやすさや気分の変化が起こります。これらは治療法が異なるため、正しく見分けることが重要です。

だからこそ、自己判断で「男性更年期だ」と決めつけて市販のサプリや海外製のホルモン剤に頼るのは避けるべきです。医療機関で症状を評価し、血液検査でテストステロン値を確認したうえで、ほかの病気の可能性も含めて医師が総合的に判断します。気分の落ち込みが強い場合は、精神科・心療内科の視点が必要になることもあり、医師が適切な連携を判断します。安全な医療の受け方は安全性ガイドも参考になります。

EDとの関係

男性更年期の症状の一つに、性機能の変化(性欲の低下やED)があります。テストステロンは性機能にも関わるため、その低下がEDの一因となることがあります。

ただし、EDの原因はテストステロンの低下だけではなく、血管や神経の問題、心理的な要因など複数の要因が関わります(EDの原因)。そのため、EDがある=必ず男性更年期、というわけではありません。逆に、性機能の変化に加えて、疲れやすさ・意欲の低下・気分の落ち込みなどが重なっている場合は、男性更年期の視点もあわせて相談する価値があります。

ED治療の中心はPDE5阻害薬ですが(ED治療とは)、背景にテストステロンの低下があるかどうかは検査で確認されます。EDの改善の見込みについてはEDは治る?改善の可能性でも扱っています。性機能の悩みと全身の不調を切り離さず、まとめて相談することが、適切な対応につながります。

男性更年期の受診から検査・治療までの流れを段階的に示した図
受診から治療までの流れ(CLINIC JAPAN作成)

受診の目安と何科か

次のような場合は、医療機関への相談が選択肢になります。

受診先は、泌尿器科やメンズヘルスを扱う医療機関が中心です。性機能の変化が気になる場合は、EDの相談とあわせて泌尿器科を受診するとよいでしょう。気分の落ち込みなど精神面の症状が強い場合は、精神科・心療内科の視点も必要になることがあり、医師が適切な連携を判断します。相談のしかたはカウンセリングガイド、受診先の選び方はクリニックの選び方も参考になります。

検査と治療の流れ

医療機関では、まず症状の評価(問診・質問票など)と、血液検査によるテストステロン値の確認が行われます。あわせて、ほかの病気の可能性も含めて医師が総合的に判断します。

対応の基本は、生活習慣の見直しです。適度な運動・十分な睡眠・バランスのよい食事・ストレス管理などが、テストステロンを支える土台になります。そのうえで、テストステロンの低下が著しく症状がつらい場合には、医師の管理のもとでテストステロン補充療法などが検討されることがあります。

補充療法は、適応・効果・リスク(副作用)に個人差があり、誰にでも一律にすすめられるものではありません。前立腺の状態など、事前に確認が必要な項目もあるため、必ず医師の診察と検査に基づいて行われます。自己判断で海外製のホルモン剤やサプリを使うことは、安全性の観点から避けるべきです。未承認の薬の危険性という観点は海外製・未承認ED薬の危険性でも整理しています。

男性更年期の対応で大切なのは、「ホルモンを補えばすべて解決する」と単純に考えないことです。補充療法はあくまで選択肢の一つであり、生活習慣の見直しやストレスへの対処、必要に応じた精神面のケアと組み合わせて、総合的に取り組むことが現実的です。症状の現れ方も改善のしかたも人によって異なるため、医師と相談しながら、自分に合った方法を見つけていく姿勢が役立ちます。つらい不調を「年齢のせい」と諦めるのではなく、対応できる状態として向き合うことが、生活の質を取り戻す一歩になります。性機能の悩みが中心であれば、EDの相談とあわせてED治療とはも参考になります。

まとめると、男性更年期(LOH症候群)はテストステロンの低下に伴う心身の不調で、医療的に対応できる状態です。性・身体・精神の症状が重なって生活に影響する場合は、年齢のせいと片付けず、泌尿器科などで相談することがすすめられます。セルフチェックはきっかけにとどめ、最終的な判断は検査を含めた医師の診察に委ねることが大切です。

よくある質問

Q. 男性更年期(LOH症候群)とは何ですか?
加齢などに伴うテストステロン(男性ホルモン)の低下によって、性機能・身体・精神にさまざまな不調が現れる状態です。医学的にはLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれます。性欲の低下やED、疲れやすさ、意欲の低下や気分の落ち込みなどが代表的で、これらが重なって生活に影響する場合に考えられます。診断には症状の評価と血液検査が用いられます。
Q. 男性更年期はセルフチェックでわかりますか?
セルフチェックは、自分の状態を振り返り受診を考えるきっかけとして役立ちますが、それだけで診断はできません。性機能・身体・精神の症状が複数重なり、生活に影響しているかが一つの目安になります。似た症状はうつ病や甲状腺の病気などでも起こるため、確定には医療機関での症状評価と血液検査が必要です。
Q. 男性更年期は何科を受診すればよいですか?
泌尿器科やメンズヘルスを扱う医療機関が相談先になります。血液検査でテストステロン値を確認し、症状とあわせて医師が判断します。気分の落ち込みなど精神面の症状が強い場合は、精神科・心療内科の視点も必要になることがあり、医師が適切な連携を判断します。
Q. 男性更年期は治りますか?
対応によって症状の改善が期待できる状態です。生活習慣の見直しが土台になり、テストステロンの低下が著しく症状がつらい場合には、医師の管理のもとでテストステロン補充療法などが検討されます。改善の度合いには個人差があり、ほかの原因が関わる場合もあるため、医師の診察に基づく対応が大切です。

参考・出典

公的資料・学会

医学文献(PubMed)

本記事の内容は一般的な情報提供であり、効果・適応・費用には個人差があります。詳細は医療機関でご確認ください。

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