体型部位の代表である「お腹」と「二の腕」。それぞれ脂肪の質・必要な術式・ダウンタイムが異なります。上腹部・下腹部・脇腹・二の腕の部位別料金、回復期間、医師選びの実務判断を独立調査で整理します。
お腹と二の腕は、脂肪吸引の中でも体型変化を実感しやすい代表部位です。料金はお腹全体¥300,000〜¥800,000、二の腕¥250,000〜¥600,000で、表示価格×1.3〜1.5倍が実質総額。ダウンタイムはお腹2〜4週間、二の腕2〜3週間で、最終仕上がりは術後3〜6ヶ月。Bertheuil 2016年論文では二の腕脂肪吸引の長期患者満足度が高いと報告されています。一方、皮膚弾力が低下した40代以降は脂肪減少後の皮膚たるみリスクがあり、レーザー併用やハイフとの組み合わせが推奨されます。本記事では部位別料金・術式・ダウンタイム・リスクを独立調査で整理します。
出典:ClinicJapan編集部調べ(2026年4月 各クリニック公開価格を集計)Halk et al. 2019医療機器・適応外使用に関する重要な情報開示
本記事で解説する施術には、厚生労働省「医療広告ガイドライン(令和6年3月改訂)」に基づき、以下4項目の情報提供が必要です。
施術を検討される方は、使用機器の承認状況・出力設定・補償体制について、事前に医師へ必ず確認してください。
SNSのビフォーアフターに惹かれて施術を決める方が多いですが、実際の体験は写真と異なる「想定外」を含みます。事前に理解しておくべき現実的なシナリオを整理します。
多くの方が想像する「板のように平らで腹筋が見えるお腹」は、脂肪吸引単独では達成困難です。脂肪吸引は皮下脂肪を減らす施術で、腹直筋のラインを浮かび上がらせるには筋トレも必要。「腹筋ライン希望」と相談すると、医師は「ハイディフィニション・リポサクション」(VASER等で筋肉ラインに沿って脂肪を彫刻する高難度技術)を提案する場合がありますが、料金・難易度ともに大幅に上がります。
出産経験者の下腹部脂肪吸引で頻発する「想定外」が、妊娠線が脂肪減少で目立つこと。脂肪が支えていた皮膚が緩むことで、妊娠線の凹みが顕在化します。カウンセリング時に医師が必ず指摘すべき項目ですが、SNSの広告では触れられないため事前確認が必須。妊娠線が気になる方はダーマペンやピコレーザーでの前処置・後処置も検討してください。
二の腕脂肪吸引で最も多い「想定外」が、術後の皮膚たるみ。特に40代以降や妊娠経験者で、脂肪を取った後に皮膚が縮みきれず、振袖肉が逆に目立つことがあります。Bertheuil 2016年論文でも、加齢による皮膚弾力低下が満足度に影響すると指摘されています。レーザー併用脂肪吸引や術後ハイフ・高周波治療を併用することで、たるみリスクを抑えられます。
二の腕は両腕を別々に施術するため、左右の吸引量に差が出やすい部位。施術直後は腫れで分かりにくいですが、3〜6ヶ月後の最終仕上がりで左右差が顕在化することがあります。修正手術は¥150,000〜¥300,000で、初回より難しいケースも。医師の経験年数(理想は10年以上)と二の腕症例数(理想300例以上)が結果を大きく左右します。
お腹・二の腕脂肪吸引後の生活制限は、ダウンタイムだけでなく日常生活の細かな部分にも及びます。事前に把握しておくべき4カテゴリーを整理します。
| カテゴリー | 期間 | 制限内容 | 緩和タイミング |
|---|---|---|---|
| 圧迫衣着用 | 2〜6週間 | 24時間着用、寝る時・食事中も | 段階的に減らす |
| 運動制限 | 1〜2ヶ月 | 激しい運動・筋トレ・ヨガ・サウナNG | 軽いウォーキングは2週間後OK |
| 食事制限 | 1〜2週間 | アルコール・刺激物・脂っこい食事控えめ | 3日後から徐々に |
| 姿勢制限 | 2週間 | うつ伏せ寝(お腹)・うつ伏せ&腕を上に上げる(二の腕)禁止 | 2週間後から徐々に |
圧迫衣着用は季節で快適性が大きく変わります。夏場は蒸れ・かゆみ・あせもの問題が頻発し、シャワー回数を増やしたり、吸湿速乾素材の補助インナーを併用する工夫が必要。冬場は重ね着で目立たない一方、汗をかかない分長時間着用が比較的快適。秋〜冬の施術が圧迫衣との相性が良く、夏のシーズンに合わせて完成させる4〜6ヶ月前のスケジュールが理想的です。
お腹・二の腕脂肪吸引は「いつ施術するか」が結果と満足度に大きく影響します。季節・イベント・体重変動を考慮した施術タイミング戦略を整理します。
| 施術時期 | 利点 | 欠点 | 夏に間に合うか |
|---|---|---|---|
| 10〜11月(晩秋) | 圧迫衣との相性◎、夏まで充分な期間 | クリスマス時期と重なる場合あり | 翌年夏に最適 |
| 12〜1月(冬) | 厚着で目立たない、年末年始の連休活用 | 新年会・忘年会の参加制限 | 翌年夏に間に合う |
| 2〜3月(早春) | 春先の薄着シーズン前 | 夏まで4〜6ヶ月でややタイト | ギリギリ間に合う |
| 4〜5月(春) | GW連休活用 | 夏まで2〜3ヶ月で間に合わない | ×(翌年へ) |
| 6〜8月(夏) | − | 圧迫衣との相性最悪、汗・蒸れ問題 | − |
| 9月(初秋) | 暑さが落ち着き始める | 夏ピーク終了後、需要低 | 翌年夏向け |
5〜6月の駆け込み施術は圧迫衣の蒸れ・最終仕上がり前の判断のリスクがあります。脂肪吸引の最終仕上がりは術後3〜6ヶ月のため、6月施術なら「最終仕上がり = 12月」と「夏には間に合わない」が現実です。SNS広告で「夏に間に合う」を訴求する院は要警戒で、医学的には夏ピーク(7〜8月)の8〜12ヶ月前の施術が理想的です。
結婚式・写真撮影・人生の節目のイベント前に施術する場合、イベント6ヶ月前までの施術が安心。3ヶ月前は拘縮ピークで仕上がり判断時期、1ヶ月前は腫れ・内出血が完全に引いていない可能性があります。「最低6ヶ月前」を目安にスケジュール逆算してください。
「お腹」と一括りで表現されがちですが、実は上腹部・下腹部・脇腹(ウエスト)の3エリアに分かれ、それぞれ脂肪の特性・難易度・料金が異なります。最適な施術範囲を理解することで、コストと結果のバランスが取りやすくなります。
上腹部はみぞおち〜へそ上の範囲で、女性は「胸の下のたるみ」、男性は「ビール腹の上部」が気になる部位です。脂肪量は中等度で、内臓周辺との距離が近いため過剰吸引のリスクがあります。料金は¥150,000〜¥300,000、ダウンタイムは2〜3週間。Tumescent法またはVASERが向きます。
下腹部はへそ下〜恥骨上の範囲で、女性は「ぽっこりお腹」、出産経験者は「妊娠線後のたるみ」が気になる部位。脂肪量は多め、皮膚たるみのリスクが高いため、レーザー併用またはハイフ・糸リフト併用が推奨されることがあります。料金は¥150,000〜¥300,000、ダウンタイムは2〜4週間。
脇腹はウエストくびれを作る部位で、いわゆる「浮き輪肉」と呼ばれます。皮下脂肪と内臓脂肪の混合で、女性のくびれ形成に最も貢献する部位。男性ではビールハンドル肉の解消に該当します。料金は¥150,000〜¥250,000、ダウンタイムは2〜3週間。VASERが線維温存に効果的で人気の選択。
多くのクリニックでは「お腹全体プラン」として上腹部・下腹部・脇腹をセットで提供。料金は¥300,000〜¥800,000で、部位別単独施術の合算より20〜30%割安。1回の麻酔・1回のダウンタイムで完結するメリットがあり、お腹全体の改善を希望する方には現実的選択肢です。
二の腕脂肪吸引は「ノースリーブを着られる腕」を目指す施術として人気です。お腹と異なり、二の腕は皮膚弾力が低めで、術後たるみリスクが他部位より高いという特徴があります。
| 部位 | 主な悩み | 料金目安 | ダウンタイム |
|---|---|---|---|
| 二の腕後ろ側(振袖肉) | 振ったときの「ふりそで肉」 | ¥200,000〜¥300,000 | 2〜3週間 |
| 二の腕前側 | 太い印象、ノースリーブで目立つ | ¥180,000〜¥280,000 | 2〜3週間 |
| 上腕全周 | 全体的な太さ | ¥250,000〜¥400,000 | 2〜3週間 |
| 二の腕+肩 | 肩のラインも気になる | ¥350,000〜¥550,000 | 2〜3週間 |
| 二の腕+脇 | はみ出し肉も同時改善 | ¥320,000〜¥500,000 | 2〜3週間 |
Bertheuil 2016年論文では二の腕脂肪吸引の長期結果が報告されており、患者満足度は高いものの、いくつかの特殊事情があります。第一に、二の腕の皮膚は他部位より弾力が低い傾向があり、特に40代以降や体重変動の経験がある方は皮膚たるみが顕在化しやすいです。第二に、橈骨神経(とうこつしんけい)が走行しており、神経損傷リスクへの配慮が必要。第三に、肘付近の取り残しがよく問題になり、医師の技術が結果を大きく左右します。
| 施術範囲 | 大手チェーン | 専門院 | 追加費用込み実質総額 |
|---|---|---|---|
| 上腹部のみ | ¥150,000〜¥250,000 | ¥250,000〜¥400,000 | ¥200,000〜¥520,000 |
| 下腹部のみ | ¥150,000〜¥250,000 | ¥250,000〜¥400,000 | ¥200,000〜¥520,000 |
| 脇腹のみ | ¥150,000〜¥220,000 | ¥220,000〜¥350,000 | ¥200,000〜¥450,000 |
| お腹全体(上下+脇腹) | ¥300,000〜¥500,000 | ¥600,000〜¥800,000 | ¥400,000〜¥1,000,000 |
| 二の腕(左右) | ¥250,000〜¥400,000 | ¥500,000〜¥600,000 | ¥350,000〜¥780,000 |
| 二の腕+肩 | ¥350,000〜¥550,000 | ¥600,000〜¥800,000 | ¥500,000〜¥1,000,000 |
| お腹全体+二の腕 | ¥500,000〜¥800,000 | ¥900,000〜¥1,300,000 | ¥700,000〜¥1,700,000 |
| 追加項目 | 相場 | 必須度 |
|---|---|---|
| 全身麻酔 | ¥80,000〜¥200,000 | 大量吸引時必須 |
| 静脈麻酔 | ¥30,000〜¥80,000 | 中量吸引時必須 |
| 圧迫ガードル・スパッツ | ¥10,000〜¥30,000 | 必須 |
| 術後血液検査 | ¥5,000〜¥20,000 | 必須 |
| 抗生剤・痛み止め | ¥3,000〜¥10,000 | 必須 |
| 術後マッサージ(5回) | ¥30,000〜¥100,000 | 推奨 |
| 指名料(人気医師) | ¥30,000〜¥100,000 | 任意 |
「すべて込み」プランの活用
大手チェーン・中堅院の中には「すべて込み価格」プランを提供する院があります。麻酔・圧迫衣・術後ケア・薬代をすべて表示価格に含めることで、追加費用が発生しません。表示価格は若干高めですが、予算管理が確実で、結果的に総額がより安い場合もあります。脂肪吸引の料金相場とデメリットでも詳細解説。
| 術後期間 | お腹の状態 | 二の腕の状態 | 共通の制限 |
|---|---|---|---|
| 術直後〜3日 | 強い腫れ・痛み・内出血、ガードル24時間 | 強い腫れ・痛み、サポーター24時間 | 安静、シャワーのみ可 |
| 術後4〜7日 | 腫れピーク後改善開始 | 腫れピーク後改善開始 | 抜糸、軽いストレッチ可 |
| 術後1〜2週間 | 腫れ・内出血が大幅改善 | 腫れが大幅改善、ノースリーブはまだ | デスクワーク復帰、軽い運動可 |
| 術後3〜4週間 | 大半の腫れ消退、拘縮始まる | ノースリーブ可、拘縮始まる | 通常生活、激しい運動はまだ |
| 術後1〜3ヶ月 | 拘縮ピーク、硬さ感じる | 拘縮ピーク、皮膚たるみ確認時期 | 運動制限解除 |
| 術後3〜6ヶ月 | 拘縮緩和、最終仕上がり | 拘縮緩和、最終仕上がり | 判断時期 |
お腹はガードル・スパッツ型で、ウエスト〜太もも上部までカバー。最低2〜3週間、推奨4〜6週間の24時間着用。寝るとき・食事中も着用が原則です。二の腕はサポーター型で、肩から肘までカバー。最低1〜2週間、推奨3〜4週間の24時間着用。両部位共通で、季節(夏場の蒸れ)・サイズ・素材で快適性が大きく変わります。
| 術式 | お腹での適性 | 二の腕での適性 | 料金倍率 |
|---|---|---|---|
| Tumescent法(標準) | 標準症例に最適 | 標準症例に最適 | ×1.0 |
| VASER(超音波) | 線維質脂肪・男性に最適 | 線維質脂肪・繊維温存に最適 | ×1.3〜×1.5 |
| PAL(パワーアシスト) | 大量吸引時に最適 | 標準〜中量に適応 | ×1.2〜×1.4 |
| レーザー(SmartLipo等) | 軽度たるみ併発症例 | たるみ予防に最適 | ×1.5〜×1.8 |
| ボディジェット | 低侵襲希望症例 | 神経温存重視症例 | ×1.4〜×1.6 |
近年、お腹・二の腕脂肪吸引でVASER(超音波)を選ぶ方が増えています。理由は3つ。第一に、超音波で脂肪を乳化することで線維温存でき、皮膚タイトニング効果が標準法より高め。第二に、出血量が少なくダウンタイムが短い傾向。第三に、SNSで「VASER」がバズワード化し認知度が高い。料金は標準法より×1.3〜×1.5倍ですが、結果と満足度のバランスで人気上昇中です。
「死亡事故」のリスク
お腹の脂肪吸引は、Klein 2016年論文のTumescent麻酔安全用量を逸脱した過剰吸引で、稀ですが致死的合併症(リドカイン中毒・血栓塞栓)が報告されています。「1日で全身一気に」という極端な吸引量は医師が断るのが正常な対応。「他院で断られた大量吸引も実施」を訴求するクリニックは要警戒です。美容医療の安全性ガイドも参考に。
| タイプ | お腹適性 | 二の腕適性 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 20〜30代女性 | ★★★ | ★★★ | 皮膚弾力高、満足度大 |
| 30代後半〜40代女性 | ★★ | ★(要併用) | たるみリスク、ハイフ併用検討 |
| 40代後半〜50代 | ★(要併用) | △ | 糸リフト・フェイスリフト併用 |
| 出産経験者 | ★★(妊娠線注意) | ★★★ | 下腹部は妊娠線評価必須 |
| 男性(ビール腹) | ★★★ | ★★ | VASER推奨、線維質脂肪 |
| BMI 30以上 | × | × | 減量優先、施術不可院多い |
| 軽度の脂肪のみ | △ | △ | 脂肪溶解注射で代替可 |
お腹・二の腕の脂肪吸引は、単体では解決しない悩みも他施術との組み合わせで対応できます。
クリニックの選び方とカウンセリング完全ガイドも参照してください。