顎ボトックスの効果
梅干し皺・しゃくれ・Eライン形成のメカニズム

下顎の先端で内側から下唇を支えるオトガイ筋。この筋肉の過緊張は、顎の表面に「梅干し」のような凹凸じわを作り、Eラインを崩す原因になります。顎ボトックスがオトガイ筋にどう作用し、どんな悩みに効くのか。臨床データに基づいて、効果のメカニズムから経過・持続期間まで整理します。

2〜7日効果発現
4〜6ヶ月持続期間
¥10K〜¥30K1回の料金相場
顎ボトックスの効果 — オトガイ筋への作用と梅干し皺・Eライン改善
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下顎の先端、いわゆる「顎の真ん中」に位置するのがオトガイ筋(頤筋/メンタリス筋)です。下唇を内側から押し上げ、口を閉じる動きを支える小さな筋肉で、口の動きが多い方ほど発達する傾向があります。この筋肉が過緊張を起こすと、顎の表面に独特の凹凸じわが現れます。日本では古くから「梅干し皺」と呼ばれてきたしわで、口を結んだときに顎の皮膚が梅干しの種のようにくしゃっと盛り上がる状態を指します。

顎ボトックスは、このオトガイ筋にボツリヌストキシンを少量注入することで、過剰な収縮を抑える施術です。咬筋に打つエラボトックスと同じ系統の治療ですが、対象とする筋肉も期待される効果も別物です。エラが「フェイスラインの横幅」を整える施術なら、顎ボトックスは「顎の表面の質感」と「Eラインの整え」を主な目的とします。眉間や額への施術については眉間ボトックスの効果で別途解説しています。ここからは、オトガイ筋の解剖と作用の仕組み、3つの主な適応、効果発現のタイムライン、料金相場までを順に整理します。

顎ボトックスは、オトガイ筋への神経伝達を阻害することで梅干し皺・前突顎気味・Eラインの崩れを改善する施術です。効果発現は2〜7日、最大効果は2週間後、持続期間は4〜6ヶ月。料金は1回10,000〜30,000円、3〜4ヶ月ごとの継続が一般的な維持パターンとなります。

※効果には個人差があります。

📌 ひと目でわかる顎ボトックスの効果

⚠️ 製剤の承認状況に関する重要な情報開示

本記事で解説する施術には、厚生労働省「医療広告ガイドライン(令和6年3月改訂)」に基づき、以下の情報提供が必要です。

  1. 承認製剤について:アラガン社のボトックスビスタ(オナボツリヌストキシンA)は、厚生労働省より「眉間の表情皺の改善」に対する承認を取得していますが、顎部位への使用は適応外使用に該当します。
  2. 未承認製剤について:韓国製のボツリヌス製剤(ボツラックス、ナボタ、メディトキシンなど)は、薬機法上の承認を取得していません。各クリニックは医師の個人輸入により調達し、自由診療で使用しています。
  3. 諸外国における承認状況:韓国MFDS、欧州CEマーク等で医療機器・医薬品として認可されている製剤があります。
  4. 救済制度:未承認製剤の使用または適応外使用による重篤な副作用が発生した場合、日本の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる点にご留意ください。

施術を検討される方は、使用される製剤の銘柄と承認状況、補償体制について、事前に医師へ必ず確認してください。

オトガイ筋とは|小さな筋肉が顎全体を変える理由

オトガイ筋は下顎骨の前面に起始し、下唇の皮膚に停止する小さな筋肉です。長さは2〜3cm程度、左右に1対あります。サイズは控えめですが、口を閉じる動き、下唇を上向きに押し出す動き、不満そうな表情を作るときに常に動員される筋肉で、日常生活での使用頻度が極めて高いのが特徴です。

項目内容
位置下顎の先端、左右対称に1対
サイズ長さ2〜3cm、ボトックス使用量10〜20単位
起始下顎骨の切歯窩(前歯の根元の少し下)
停止下唇の真皮(皮膚側)
主な働き下唇を上方向に押し上げる・口を閉じる補助・顎の表面を引き締める
支配神経顔面神経下顎縁枝

オトガイ筋がほかの表情筋と異なる点は、骨と皮膚を直接つないでいるところです。多くの表情筋は皮下にあって表情を作りますが、オトガイ筋は下顎骨から立ち上がって皮膚に直接停止しています。このため、過緊張すると皮膚が下顎骨に引き寄せられて、顎の表面に独特の凹凸が現れます。これが日本人が古くから「梅干し」「梅干しのような顎」と表現してきた状態の正体です。

💡 「梅干し皺」という和名の由来

梅干しの果肉表面にできる、しわのような独特の凹凸を連想させることからこの呼び名が定着しました。医学的にはchin dimplingまたはmental crease(オトガイ皺)と呼ばれる症状で、英語圏でも「golf ball chin(ゴルフボール顎)」「pebbly chin」など視覚的な比喩で表現されます。文化を超えて、同じ視覚的特徴に対して同種の比喩が生まれている点が興味深い名称といえます。

3つの主な適応|何に効くのか

顎ボトックスは、オトガイ筋への作用を通じて3つの主要な悩みに効果を発揮します。

適応原因顎ボトックスの効果効果の出やすさ
梅干し皺オトガイ筋の過緊張表情を作っても凹凸が出にくくなる非常に高い
前突顎気味(筋肉性)オトガイ筋の発達による下顎前方突出顎の前方への張り出しが落ち着く高い
Eライン形成顎先の表面の凹凸・前突感横顔のラインが整う中〜高
骨格性のしゃくれ下顎骨自体の形状効果なし(外科対応)
顎が短い下顎骨のボリューム不足効果なし(ヒアル等で対応)

① 梅干し皺の改善

顎ボトックスのもっともストレートな適応が梅干し皺の改善です。オトガイ筋の収縮を抑えることで、口を結んだときや下唇を引き上げたときに顎の表面にできる独特の凹凸が目立たなくなります。口を閉じている自然な状態でも顎の表面が滑らかに保たれるのが、施術後の典型的な変化です。

② 前突顎気味(筋肉性)の改善

顎が前に出ている、いわゆる「しゃくれ気味」に見える原因は2つに分けられます。1つは骨格性で、下顎骨自体が前方に突出しているケース。もう1つは筋肉性で、オトガイ筋が発達して下顎を前方に押し出しているケースです。後者の場合、ボトックスで筋肉の動きを抑えると、顎全体の張り出し感が和らぎます。

骨格性の前突顎には、ボトックスの効果は限定的です。この場合は形成外科での骨切り術といった外科的アプローチが選択肢となります。カウンセリングでは、原因が骨格性か筋肉性かを医師が見極めることが重要なポイントとなります。

③ Eライン形成(横顔の整え)

Eライン(エステティックライン)とは、横顔で鼻先と顎先を結んだ仮想の直線のことです。理想的な横顔では、上下の唇がこのEライン上もしくは少し内側に収まるとされています。顎ボトックスを打つことで、オトガイ筋の過緊張による顎先の前突を抑え、Eラインを整える効果が期待できます。ヒアルロン酸注射との併用で、顎が短い場合のEラインを前方に伸ばすアプローチも一般的です。

⚠️ 「しゃくれ」全てがボトックスで改善するわけではない

「しゃくれ」「受け口」と呼ばれる症状は、原因によって治療法が異なります。下顎骨の前方突出(骨格性)が原因の場合は外科手術の対象となり、ボトックスでは改善できません。歯列の前突(歯科矯正)が原因の場合は矯正治療が選択肢となります。オトガイ筋の過緊張(筋肉性)が原因の場合のみ、ボトックスが有効となります。原因の見極めには、視診だけでなくセファロX線検査や歯列の評価が必要となるケースがあります。

効果のメカニズム|化学的脱神経の作用

ボツリヌストキシンA型は、神経筋接合部でアセチルコリンの放出を阻害することで筋肉の収縮を抑えます。オトガイ筋に注入された薬剤は、その小さな筋線維群に均一に拡散し、収縮の指令を遮断します。施術後しばらくすると、口を閉じても顎が引きつらなくなり、結果として梅干し皺が現れにくくなります。

この作用は「麻痺」ではなく「化学的脱神経(chemical denervation)」と呼ばれる可逆的な現象です。3〜6ヶ月かけて新しい神経終末が発芽し、徐々に筋肉の動きが回復します。永久的な変化ではない点が、安全性の高い美容医療として広く採用されている理由の一つとなっています(Carruthers JA et al., J Am Acad Dermatol. 2002)。

💡 オトガイ筋ボトックスの特徴

オトガイ筋は咬筋(エラ)と比べて非常に小さい筋肉のため、必要な薬剤量も少なく、5〜10単位(左右合計)で十分な効果が得られます。エラボトックス(咬筋)が片側15〜25単位を必要とするのと比較すると、約1/3〜1/4の使用量です。少量での施術となるため、コストパフォーマンスも高く、リスクも比較的低い部位とされています。

効果発現のタイムライン|施術後の経過

顎ボトックスの効果は段階的に現れます。施術直後から効果が安定するまでの経過を整理しました。

時期主な変化備考
施術直後注射部位に小さな膨らみ30分〜数時間で消退
1日後変化はまだ実感しにくい
2〜4日後梅干し皺ができにくくなる感覚多くの方が変化を実感する時期
1週間後顎の動きが明確に弱まる動的じわが目立たなくなる
2週間後最大効果に到達効果の最終評価はこの時期
3〜4ヶ月後徐々に動きが戻る再施術検討の時期
5〜6ヶ月後ほぼ施術前の状態に戻る再施術が推奨される

もっとも効果が安定するのは施術後2週間のタイミングです。「効果が物足りない」と感じる場合でも、施術後1週間の段階で判断するのは早計です。最低でも2週間は経過を見守ったうえで、必要に応じて医師再診で追加注入を検討するのが標準的な流れとなります。

持続期間|咬筋ボトックスより長持ちする理由

顎ボトックスの持続期間は4〜6ヶ月とされており、咬筋ボトックス(エラ)の3〜4ヶ月より若干長い傾向があります。これにはいくつかの理由があります。

要因持続期間への影響
筋肉サイズオトガイ筋は小さく、少量で長く効果が維持される傾向
筋肉の使用頻度咬筋(咀嚼)と比べて使用頻度が低く、薬剤の代謝が遅い
注入量との比率10〜20単位で小さな筋肉全体をカバーできる
表情習慣梅干し皺ができにくい表情習慣が定着すると、効果がさらに長くなる
抗体形成頻繁な施術で抗体ができると、効果が出にくくなる場合がある

定期的に継続施術を行うと、初回より2回目以降の方が持続期間が長くなる傾向が見られます。これはオトガイ筋を強く収縮させる表情習慣そのものが弱まり、筋肉自体が萎縮していくためです。3〜4回の継続施術後には、6ヶ月以上効果が持続するケースも少なくありません。

打ち方|注入位置と単位数

顎ボトックスは小さな筋肉への施術のため、注入位置の精度が効果と副作用を左右します。標準的な打ち方を整理しました。

方法注入箇所総単位数特徴
1点法(中央集中)顎先の中央1点5〜10単位梅干し皺の改善が目的
2点法(左右対称)左右のオトガイ筋に1点ずつ各5〜10単位(合計10〜20単位)もっとも一般的なパターン
3点法2点法+中央1点合計15〜20単位強い梅干し皺・前突顎向け

もっとも標準的なのは2点法(合計10〜20単位)で、左右のオトガイ筋にそれぞれ少量ずつ注入する方法です。中央寄りに深めに打つことで、オトガイ筋全体に薬剤が拡散しやすくなります。

⚠️ 注入位置のミリ単位の精度

顎ボトックスは注入位置によって副作用のリスクが大きく変わります。下唇の真下、顎先より上の位置に深く注入することが推奨されており、これより上(下唇に近い位置)に注入すると下唇下制筋に作用が拡散し、下唇が下がる・口角が引きつるといった副作用を起こす場合があります。経験豊富な医師ほど、解剖学的なランドマークを意識した注入位置を取ります。

顎ボトックスの料金相場

💡 料金表示について

以下の料金は税込の相場目安です。実際の料金はクリニックによって異なり、麻酔代・診察料が別途発生する場合があります。効果には個人差があります

顎ボトックスの料金は、使用される製剤と単位数によって変わります。咬筋ボトックスより使用単位数が少ないため、相対的に安価な設定が多く見られます。

製剤の種類1回相場年間費用(3回継続)承認状況
ボトックスビスタ(米Allergan)¥18,000〜¥30,000¥54,000〜¥90,000未承認(適応外使用)
ゼオミン(独Merz)¥15,000〜¥25,000¥45,000〜¥75,000未承認
ボツラックス(韓Hugel)¥10,000〜¥18,000¥30,000〜¥54,000未承認
ナボタ(韓Daewoong)¥12,000〜¥20,000¥36,000〜¥60,000未承認
メディトキシン(韓Medytox)¥10,000〜¥18,000¥30,000〜¥54,000未承認

初回限定価格として3,800〜7,800円を設定するクリニックも目立ちます。特に韓国製のボツリヌス製剤を使用したお試しメニューが多く、まずは効果と適応を確認してから継続を判断するのが現実的なアプローチです。エラボトックスとのセット料金(¥30,000〜¥60,000)を提供するクリニックも多くあります。

効果に関わるリスクと副作用

顎ボトックスは小さな筋肉への施術のため副作用のリスクは比較的低いものの、注入位置のズレや過量注入には注意が必要です。

頻度症状持続期間原因
高頻度注射部位の赤み・軽い腫れ数時間注射の物理的刺激
中頻度軽い内出血3〜7日毛細血管への接触
低頻度(3〜5%)口を閉じにくい違和感1〜2週間筋肉動作の急な変化への適応
低頻度(1〜3%)下唇が下がる感覚3〜4ヶ月下唇下制筋への拡散
まれ(1%未満)発音への違和感(マ・パ・バ行)3〜4ヶ月過量注入
まれ口角が引きつる3〜4ヶ月注入位置の上方ズレ

もっとも気をつけたい副作用は下唇が下がる感覚発音への違和感です。これらは下唇下制筋へのボツリヌストキシン拡散が原因で、注入位置を顎先側に取ることで予防できます。発生率は1〜3%程度とされており、3〜4ヶ月で自然に回復しますが、その間は会話・食事に違和感を感じる場合があります(Sundaram H et al., Dermatol Surg. 2016)。

⚠️ 顎ボトックスが推奨されない方

以下に該当する方は、顎ボトックスが推奨されないか、医師との慎重な相談が必要となります。

他の顎まわり治療との比較

顎まわりの悩みには複数の治療選択肢があります。それぞれの効果の違いを比較しました。

治療法料金得意な悩み持続期間
顎ボトックス¥10K〜¥30K梅干し皺・前突顎気味・Eライン4〜6ヶ月
ヒアルロン酸(顎先)¥40K〜¥100K顎が短い・後退顎・Eライン延長12〜18ヶ月
エラボトックス¥15K〜¥40Kエラの張り・小顔効果3〜4ヶ月
糸リフト¥80K〜¥250K顎下のたるみ・フェイスライン1〜2年
ハイフ¥30K〜¥80K顎下の引き締め・脂肪減少6〜12ヶ月
脂肪溶解注射¥10K〜¥40K顎下脂肪・二重あご半永久的(再生せず)
顎プロテーゼ¥300K〜¥800K骨格的な顎の形状変更半永久的
骨切り術¥800K〜¥1.5M骨格性のしゃくれ・受け口永久的

顎ボトックスは「顎の表面の質感」と「筋肉性の前突」に対するピンポイント治療です。一方、顎の形状そのものを変えたい場合はヒアルロン酸・プロテーゼ・骨切り術といった選択肢になります。実際のカウンセリングでは、複数の治療を組み合わせる併用プランが提案されることが多くあります。

効果を最大化する施術後の過ごし方

顎ボトックスの効果を引き出すには、施術後の過ごし方も重要です。

時期すべきこと避けるべきこと
当日4時間程度は表情を動かすうつ伏せ・激しい運動・飲酒・サウナ
1〜3日注射部位を強くこすらないマッサージ・歯科治療(要事前相談)
1週間通常生活に復帰顎への強い圧迫
2週間後〜必要に応じて医師再診

施術直後の4時間程度は意識的に口を動かすことが推奨されます。注入された薬剤が筋肉内に均等に拡散しやすくなるためです。逆に、当日のフェイシャルマッサージや顎周りへの強い圧迫は避けてください。これらは薬剤の予期せぬ拡散を引き起こし、副作用のリスクを高める可能性があります。

よくある質問(FAQ)

Q. 顎ボトックスの効果はいつから出ますか?
効果の発現は施術後2〜7日が目安です。早い方は2〜3日で梅干し皺ができにくくなる感覚を得られ、最大効果は2週間後となります。エラボトックス(咬筋)と比べてオトガイ筋は小さい筋肉のため、変化を実感しやすい部位の一つとされます。
Q. 顎ボトックスの効果はどれくらい続きますか?
持続期間は4〜6ヶ月が一般的です。初回は3〜4ヶ月で効果が薄れる方が多く、定期的な継続施術により4〜6ヶ月まで延びるケースも見られます。咬筋への施術と比較すると、オトガイ筋は小さい筋肉のため少量の薬剤で効果が出やすく、コストパフォーマンスの良い部位といえます。
Q. 顎ボトックスはどんな悩みに効きますか?
主な適応は3つあります。①梅干し皺(顎の表面に梅干しのようにできる凹凸じわ)、②前突顎・しゃくれ気味の改善(オトガイ筋の過緊張による下顎の前方突出)、③Eライン形成(横顔のラインを整える)です。骨格的な前突顎には効果が限定的で、オトガイ筋の過緊張が原因の場合に高い効果が期待できます。
Q. 顎ボトックスの料金相場はいくらですか?
1回あたり10,000〜30,000円が相場です。製剤の種類によって価格が変わり、アラガン社のボトックスビスタは20,000〜30,000円、韓国製のボツリヌス製剤(ボツラックス、ナボタなど)は10,000〜18,000円が目安となります。咬筋ボトックスと比較して使用単位数が少ない(10〜20単位程度)ため、相対的に安価な設定が多く見られます。
Q. 顎ボトックスのリスクや副作用はありますか?
一般的な副作用は注射部位の赤み・軽い腫れ・内出血で、数日で消退します。まれに口を閉じにくい・下唇が下がる・発音への違和感(「マ行・パ行・バ行」が言いにくい)が報告されています。これらは過量注入や注入位置のズレが原因で、3〜4ヶ月で自然に回復します。妊娠中・授乳中、神経筋疾患のある方は施術が推奨されません。
Q. 顎ボトックスとヒアルロン酸どちらが良いですか?
目的によって使い分けます。梅干し皺・前突顎・オトガイ筋の過緊張にはボトックスが向いています。一方、顎が短い・後退顎・Eラインを前方に伸ばしたい場合はヒアルロン酸注射が選ばれます。両者を組み合わせる併用治療も多く、医師の見立てによってベストなアプローチが提案されます。
Q. 顎ボトックスは何歳から打てますか?
承認上は20歳以上が対象となります。実際には20代後半〜30代前半から、梅干し皺が気になり始めたタイミングで施術を選ぶ方が増えています。年齢よりも、口を結んだときの顎の凹凸が気になり始めたタイミングが施術検討の目安です。早めの施術ほど予防効果も期待でき、表情習慣の改善にもつながります。
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参考文献(PubMed 収載論文)

  1. Carruthers JA, Lowe NJ, Menter MA, et al. “A multicenter, double-blind, randomized, placebo-controlled study of the efficacy and safety of botulinum toxin type A in the treatment of glabellar lines.” J Am Acad Dermatol. 2002;46(6):840-9. PMID 12063480
    「効果のメカニズム」セクションで、ボツリヌストキシンA型による化学的脱神経の作用機序の根拠として引用。可逆的な作用としての安全性データの裏付け。
  2. Sundaram H, Signorini M, Liew S, et al. “Global Aesthetics Consensus: Botulinum Toxin Type A--Evidence-Based Review, Emerging Concepts, and Consensus Recommendations for Aesthetic Use, Including Updates on Complications.” Plast Reconstr Surg. 2016;137(3):518e-529e. PMID 26910696
    「効果に関わるリスクと副作用」セクションで、オトガイ筋ボトックスにおける下唇下制筋への薬剤拡散・発音障害の発生率に関する根拠として引用。国際美容コンセンサス。
  3. Rappl T, Parvizi D, Friedl H, et al. “Onset and duration of effect of incobotulinumtoxinA, onabotulinumtoxinA, and abobotulinumtoxinA in the treatment of glabellar frown lines: a randomized, double-blind study.” Clin Cosmet Investig Dermatol. 2013;6:211-219. PMID 24098087
    「持続期間」セクションで、製剤による発現時間と持続期間の違いを比較した二重盲検ランダム化試験の根拠として引用。
  4. Wu DC, Fabi SG, Goldman MP. “Neurotoxins: Current Concepts in Cosmetic Use on the Face and Neck--Lower Face.” Plast Reconstr Surg. 2015;136(5 Suppl):76S-79S. PMID 26441116
    「打ち方|注入位置と単位数」セクションで、オトガイ筋への注入位置の解剖学的ランドマークと推奨単位数の根拠として引用。下顔面のボツリヌストキシン使用に関する臨床ガイドライン。

本記事は上記の学術文献に基づいて作成しており、医療情報の正確性を担保するため、すべて PubMed(米国国立医学図書館 NLM 運営の学術論文データベース)収載論文を出典としています。