脂肪溶解注射のデメリットは効果不足・複数回の施術が必要・痛み・腫れ・しこり・コストの積み重なりなど多岐にわたり、脂肪吸引との比較で慎重な選択が求められます。
脂肪溶解注射のデメリットは、大きく10項目に整理できます。効果を感じる方が30〜50%にとどまる・複数回の施術が前提(3〜6回)・痛みや腫れ・しこりが残ることがある・効果のばらつき・費用の積み重なり・脂肪吸引より総額が高くなるケース・毎回のダウンタイム・回復期間・効果判定まで時間がかかるといった点です。BNLS Neoやカベリンといった製剤はFDA未承認で、デオキシコール酸製剤ではカイベラ®のみがFDA承認を取得しています。費用は合計すると¥30万〜¥80万に達することも多く、脂肪吸引(¥30〜100万)との差が思ったほど開かないケースも珍しくありません。「メスを使わない」というメリットがある一方、効果がどのくらい出るか読みにくい点が、いちばん大きなデメリットといえます。
参考:PubMed掲載論文・PMDA副作用報告・FDA承認資料脂肪溶解注射は「メスを使わない・ダウンタイムが短い」というメリットで人気がある一方、医学論文や症例報告ではいくつかのデメリットも指摘されています。本記事ではそのデメリットを中心に整理していきます(仕組みや基本的な内容は脂肪溶解注射完全ガイドをご覧ください)。
| カテゴリ | デメリット | 影響度 |
|---|---|---|
| 効果関連 | 効果不足・効果のばらつき・複数回必要 | 大 |
| 副作用 | 痛み・腫れ・内出血・しこり | 中 |
| コスト | 費用が積み重なって高額・追加施術が必要 | 大 |
| 時間 | 効果判定まで3〜6ヶ月 | 中 |
| 制度 | 未承認製剤・保険適用外 | 小 |
参考|脂肪溶解注射のメリット
本記事はデメリットを中心に整理していますが、施術選択の判断材料として、メリットも併せて確認しておきたいポイントです。
メリットの詳細は脂肪溶解注射完全ガイドをご覧ください。本記事はデメリットの正確な把握を目的としています。
脂肪溶解注射のいちばん大きなデメリットは、効果の感じ方に個人差が大きいことです。臨床データでは「効果あり」とされる方は30〜50%ほどで、残りの半数の方ははっきりとした変化を実感できないケースもあります。デオキシコール酸の作用については脂肪溶解の効果メカニズムで詳しく解説しています。
効果が出にくいケース:皮下脂肪の厚みが2cm以下と薄めの方、繊維化(硬くなった脂肪)が進んでいる方、内臓脂肪型の体型の方は、効果を感じにくい傾向があります。
脂肪溶解注射は1回だけでは効果が出にくく、3〜6回の施術を重ねるのが一般的です。1回ごとに2〜4週間の間隔を空ける必要があり、完了までには2〜6ヶ月ほどかかります。
| 部位 | 標準回数 | 施術間隔 | 完了期間 |
|---|---|---|---|
| 顎下 | 3〜5回 | 3〜4週 | 3〜5ヶ月 |
| 頬 | 4〜6回 | 3〜4週 | 4〜6ヶ月 |
| 腹部 | 5〜8回 | 2〜3週 | 3〜6ヶ月 |
| 太もも | 5〜8回 | 2〜3週 | 3〜6ヶ月 |
脂肪溶解注射は意図的に炎症を起こして脂肪を分解する仕組みなので、施術後の腫れ・痛み・内出血はほぼ全員に出ると考えておいたほうがよく、80〜100%の方に見られます。脂肪吸引のダウンタイムと違って、施術のたびに繰り返される点がデメリットになります。
| 副作用 | 発生率 | 持続期間 |
|---|---|---|
| 注入部位の腫れ | 80〜100% | 1〜4週 |
| 痛み・圧痛 | 60〜80% | 3〜7日 |
| 内出血 | 30〜50% | 1〜2週 |
| 硬結(しこり) | 20〜40% | 1〜3ヶ月 |
| かゆみ | 10〜20% | 1〜2週 |
| 皮膚の凹凸 | 5〜10% | 3〜6ヶ月 |
| 神経損傷(軽度) | 1〜3% | 2〜6ヶ月 |
| 皮膚壊死 | 0.1%以下 | 瘢痕残存可 |
1回あたりの料金は¥10,000〜¥80,000と幅がありますが、3〜6回分の費用を合計すると総額¥30万〜¥80万に達することも珍しくありません。これは脂肪吸引の料金(顎下¥20万〜50万)と比べると、同等かそれ以上になるケースもあります。
| 部位 | 1回料金 | 標準回数 | 総額目安 |
|---|---|---|---|
| 顎下(小範囲) | ¥10,000〜¥40,000 | 3〜5回 | ¥30,000〜¥200,000 |
| 顎下(広範囲) | ¥30,000〜¥60,000 | 4〜6回 | ¥120,000〜¥360,000 |
| 頬 | ¥30,000〜¥80,000 | 4〜6回 | ¥120,000〜¥480,000 |
| 腹部(部分) | ¥40,000〜¥100,000 | 5〜8回 | ¥200,000〜¥800,000 |
脂肪溶解注射の効果は1ヶ月単位でゆっくり現れてくるので、最終的な仕上がりが見えるまで3〜6ヶ月かかります。早い段階で「効果がない」と判断してしまうのはちょっと早すぎることもあるので、ある程度の期間をかけて様子を見ていくことが大切です。
日本国内で使われている脂肪溶解注射の製剤は、その多くが厚労省未承認です。これはご本人にとって、次のようなリスクがあるということになります。
未承認医薬品ゆえのリスク:
「メスを使わない」というメリットは大きいですが、効果と費用のバランスで見ると、脂肪吸引のほうが優位になるケースも多くなります。
| 項目 | 脂肪溶解注射 | 脂肪吸引 |
|---|---|---|
| 1回での効果 | 限定的 | 明確 |
| 必要回数 | 3〜6回 | 1回 |
| 総費用(顎下) | ¥30〜36万 | ¥30〜50万 |
| ダウンタイム | 1〜4週×3〜6回 | 1〜2週×1回 |
| 効果を感じる方の割合 | 30〜50% | 90%以上 |
| 効果持続 | 長期的(脂肪細胞減少) | 長期的(脂肪細胞減少) |
5回コース¥250,000を契約したものの、3回終わった時点ではっきりした変化を感じられず、追加の施術にも不安を覚えてしまったケース。中途解約をしようとしたところ違約金20%を求められた事例で、コース契約をする前に、まず数回受けて効果を確かめておくことの大切さが指摘されています。
注入したところに硬いしこりが3〜6ヶ月残ってしまい、見た目の変化は感じられたものの、触ったときの違和感がずっと気になってしまった事例。マッサージで少しずつ軽くなったものの、完全に消えるまでには時間がかかりました。
脂肪溶解注射を5回(¥200,000)受けたものの効果が物足りず、最終的に脂肪吸引(¥350,000)も追加で受けることに。総額¥550,000となってしまい、最初から脂肪吸引を選んでおいたほうが結果的に安く済んだ、という事例です。
脂肪溶解注射の効果は体質によってかなり差が出ることがあり、次のような要因で効果が出にくくなる傾向があります。
脂肪溶解注射は注入する医師の経験が効果にそのまま影響しますが、外から技術力を見極めるのが難しいという課題があります。総合的な選び方はクリニック選び方でご確認いただけます。
明確な脂肪減少効果と短期完了を希望するなら脂肪吸引のほうが優位です。メス・全身麻酔をどうしても避けたい場合や、ごく狭い範囲(顎下のごく一部)の場合に限り、脂肪溶解注射が選択肢になることがあります。
3回終了時点で全く効果を実感できない場合、そのケースには向いていないと判断され、脂肪吸引等の代替施術が検討されます。クリニックによっては返金対応がある場合がありますが、契約条件によって異なります。
注入後1〜3週間は20〜40%の方で硬結(しこり)が出ますが、これは脂肪細胞が炎症で壊れていく自然な経過です。3ヶ月以内に自然軟化するのが一般的ですが、長期残存する場合は、マッサージや温熱療法で軽減できることもあります。
医学的には年齢制限はありませんが、50歳以降は効果を感じる方の割合が低下する傾向があります。代謝による排出がゆっくりになるため、施術回数を増やしても効果が積み上がりにくくなります。
最も効果を感じやすいのは鼻の脂肪溶解と顎下です。お腹・太ももは脂肪量が多く、注射では限界があるため、効果を感じる方の割合は低めの傾向です。
妊娠中・授乳中は受けられない状況です。デオキシコール酸の胎児・乳児への影響がまだはっきりしていないためです。授乳が終わって3ヶ月以降に施術を受けるのが安心です。