鼻中隔延長完全ガイド
SEGの効果・適応・素材・ダウンタイム・料金・失敗回避を解説

鼻中隔延長(びちゅうかくえんちょう/SEG・septal extension graft)は、鼻中隔軟骨に延長グラフトを設置して、鼻先を前方・下方に延長する手術です。短い鼻・上向きの鼻先・鼻先が短くて鼻孔が見える症例に対する、鼻整形の中でも侵襲の大きい術式です。グラフト素材は鼻中隔・耳介・肋軟骨から選択され、ダウンタイムは腫れ2〜3週間、最終仕上がりまで6〜12か月。料金は60万〜120万円が相場です。本記事ではPubMed論文5編をもとに、適応の判断・素材選び・後悔回避・修正の実情まで詳しく解説します。

鼻中隔延長 — SEGによる短い鼻・上向き鼻先の修正
広告なし・独立編集
ClinicJapan編集部は、皮膚科専門医によるサイト方針監修のもと、PubMed収載論文・公開された医療文献・厚生労働省「医療広告ガイドライン」をもとに記事を作成・更新しています。本記事は鼻中隔延長(SEG)に特化した詳細ガイドです。鼻尖形成3術式の総合比較は鼻尖形成 完全ガイド、鼻整形全体は鼻整形 完全ガイド、鼻筋の高さは隆鼻術でまとめています。編集方針について →

「写真を撮ると鼻先が短く見えて、鼻の穴がはっきり目立つ」「マスクを外したときに鼻がちょっと上向きすぎる気がする」。こうした声は30代の方からよく聞きます。鼻先の「短さ」「上向き」の悩みは、丸さ・大きさの悩みより難しいとされる領域です。原因が鼻翼軟骨だけではなく、その奥の鼻中隔軟骨の長さ不足にあるためで、ヒアル・糸・縫合法では十分な改善が得られにくく、鼻中隔延長(SEG)が有力な選択肢になります。SEGは1990年代後半に欧米で確立された手技で、現在ではアジア人の鼻整形でも標準的な選択肢になっていますが、鼻整形のなかでも侵襲の大きい術式で、適応判断と素材選びが何よりも大切です[1]。この記事では、SEGの適応・素材比較・効果・リスク・失敗回避まで、医学論文をもとに順番に見ていきます。

鼻中隔延長(SEG)は、鼻中隔軟骨に自家軟骨グラフトを継ぎ足して、鼻先を前方・下方に延長する手術です。短い鼻(short nose)・上向きの鼻先(rotated tip)・鼻孔が見える症例に向く術式です。Parkらの韓国人36例の研究(2013年)では、人体計測学的(anthropometric)な指標を用いてSEGによる短鼻の延長効果が客観的に評価され、鼻長(N-TDP: nasion-to-tip 距離)が術後平均11.2%増加し、コルメラ-顔面角(CFA)が122.6°から111.1°へ自然な範囲に改善したと報告されています[2]。グラフト素材は鼻中隔軟骨(強度・量ともに最適)・耳介軟骨(曲がりやすい)・肋軟骨(強度が最も高いが胸の傷あり)から選択されます。料金相場は60万〜120万円、ダウンタイムはギプス固定1週間・腫れ2〜3週間・最終仕上がり6〜12か月。修正手術の難易度は鼻整形の中でも特に高い手術です。

※効果・ダウンタイム・料金には個人差・施設差があります。施術前に必ず医師の診察を受けてください。
iClinicJapanは厚生労働省の医療広告ガイドラインに沿って記事を作成しています。 詳細はこちら →

鼻中隔延長手術に関する重要な情報開示

本記事で解説する施術には、厚生労働省「医療広告ガイドライン(令和6年3月改訂)」に基づき、以下の情報提供が必要です。

  1. 自由診療:鼻中隔延長は、すべて保険適用外の自由診療です。
  2. 外科的処置・使用材料:切開(鼻柱・open法)を伴う観血的処置です。自家軟骨(鼻中隔・耳介・肋)が使用されます。使用される医療用縫合糸の一部は、医師の個人輸入により調達される国内未承認品が含まれる場合があります。
  3. 適応外使用:使用される医療用縫合糸の本来の薬機法承認用途は外科的縫合であり、美容目的での鼻中隔延長は適応外使用に該当する場合があります。
  4. 諸外国における安全性情報・救済制度:鼻中隔延長は国際的に確立された美容外科手技ですが、術後合併症(グラフトの偏位・吸収・変形・感染・鼻閉・修正手術の必要性等)が一定割合で発生します[3]。万一重篤な副作用が発生した場合、未承認材料の使用または医師の判断による施術については、日本の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる点にご留意ください。

施術を検討される方は、術式の詳細・修正保証の範囲について、事前に医師へ必ずご確認ください。

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鼻整形シリーズ 12/23

鼻中隔軟骨の役割|なぜ「鼻先の支え」か

このページの位置づけ:鼻中隔延長(SEG)は、鼻の穴が正面から見える4タイプのうち短鼻・上向き鼻タイプの第一選択であり、魔女鼻(生まれつきの長い鼻と鼻先下垂)加齢による垂れ鼻の中等度〜重度ケースの基幹術式でもあります。一方、SEGで鼻先を延長すると鼻柱が長く下がって見える医原性変化が出ることがあり、術前にシミュレーションで確認しておくと安心です。横顔のハンプ(鷲鼻)や低い鼻根と複合する場合は、それらと同時手術が一般的です。

鼻中隔軟骨(びちゅうかくなんこつ)は、左右の鼻腔を分ける壁の中心にある軟骨で、鼻先の位置・高さ・向きを決める「土台」です。この軟骨が短い・弱い・後退していると、鼻先が前方に伸びず、結果として「短い鼻」「上向きの鼻」「鼻孔が見える鼻」になります。鼻翼軟骨(鼻先の輪郭を作る軟骨)をいくら整えても、土台の鼻中隔軟骨が短ければ鼻先の位置は変わりません。これが、縫合法だけでは短い鼻が治せない理由です[1]鼻整形の全体像もあわせて参照してください。

悩み原因適した方法
鼻先が丸い(鼻翼軟骨が広い)鼻翼軟骨の形鼻尖縮小(縫合法)
鼻先の突出が弱い支え不足軟骨移植(cap/shield graft)
鼻先が短い・上を向いている鼻中隔軟骨の長さ不足SEG(鼻中隔延長)
鼻孔が正面から見える鼻先が上向き+短いSEG
鼻先が左右に曲がっている鼻中隔の偏位SEG+鼻中隔矯正
鼻中隔軟骨の解剖図 — 鼻先の長さ・向きを決める土台構造

「鼻唇角」と「鼻先プロジェクション」の指標

SEGの効果は、医学的には2つの角度で評価されます。鼻唇角(nasolabial angle)は、上唇と鼻柱の角度で、女性は95〜110°が標準。これより大きい(鼻先が上向き)方が適応になります。鼻先プロジェクション(tip projection)は、顔の輪郭から鼻先までの距離で、これが短い方も適応です。同じくParkらのSEG症例研究では、SEGによって短鼻が解剖学的に延長され、鼻唇角・鼻先の角度が自然な範囲に改善する効果が報告されています[2]

セルフチェック|鏡で確認する3つのポイント

SEGの適応|どんな悩みに効くか

SEGは効果が大きい一方、侵襲も大きいため、適応の見極めが特に大切です。「鼻全体を高くしたい」だけならSEGまでは不要で、隆鼻術のプロテーゼや自家軟骨で十分なケースが多いです。SEGが本来の力を発揮するのは、鼻先の方向・長さを変えたい症例です[1]

適応のタイプSEGの効果代替手段
短い鼻(short nose)—(SEG以外で改善困難)
上向きの鼻先
鼻先の突出が弱いcap/shield graft
鼻先が丸いだけ鼻尖縮小(縫合法)
鼻筋が低いだけ×隆鼻術(プロテーゼ)
軽度の悩み・お試し×鼻ヒアル

「SEGが必要か」を見極める3つの軸

カウンセリングで医師が確認するのは、(1) 鼻唇角が110°以上か、(2) 鼻先プロジェクションが顔幅に対して短すぎないか、(3) 鼻先が前方ではなく上方を向いているか、の3点です。3つすべてが当てはまればSEGの適応性が高く、1つだけなら鼻尖形成の縫合法や軟骨移植で十分対応できることが多いです。「SEGに進む前に、より侵襲の小さい方法で達成できるかを確認する」のが、慎重なクリニックの判断手順です。

「短い鼻+鼻筋が低い」セットは慎重に:短い鼻と低い鼻筋の両方を改善したい場合、SEG+プロテーゼ(または自家軟骨)の同時手術を行うケースもあります。同時手術は効果が大きい反面、合併症が出たときに「どの手術が原因か」を切り分けにくくなります。1段階目はSEG単独、半年〜1年経って必要なら隆鼻術を追加という段階的に進めるやり方も、リスク管理の観点でも理にかなった選択肢です。

グラフト素材|鼻中隔・耳介・肋軟骨の比較

SEGのグラフト素材は、自家軟骨3種類から選択されます。それぞれ強度・量・採取の侵襲が異なり、症例の重症度や患者の希望で選択されます[3]

素材強度採取量採取部の傷適応
鼻中隔軟骨強い中等量鼻の中(外から見えない)第一選択
耳介軟骨やや弱い・曲がる少量耳の裏(目立たない)軽度〜中等度
肋軟骨非常に強い大量胸に5cm程度修正・大量延長

(1) 鼻中隔軟骨(第一選択)

鼻の中の鼻中隔から軟骨を採取して、同じ部位の延長グラフトとして使う方法です。強度・採取の侵襲・解剖学的整合性のすべてでバランスが良く、第一選択として選ばれるケースが多い術式です。デメリットは、(1) 採取できる量が限られている(修正手術や大量延長には不足する場合)、(2) 採取しすぎると鼻中隔が弱くなり鼻先が落ちるリスクがある、の2点です。経験豊富な医師は、L字型支柱(L-strut)を最低1cm残すルールを守ります[1]

(2) 耳介軟骨

耳の裏から軟骨を採取する方法です。傷跡は耳の裏で目立たず、採取の侵襲も小さいのがメリット。デメリットは、もともと耳の形のために湾曲しているため、SEG用にはやや不向き。鼻中隔軟骨の補強として使われることが多く、SEG単独素材としてはやや弱めです。鼻尖形成のcap/shield graftには非常に適した素材です。

(3) 肋軟骨(自家肋軟骨)

胸の肋骨から軟骨を採取する方法です。強度が最も高く、大量採取が可能。修正手術(過去にSEGをして失敗した症例)や、大量延長が必要な症例で用いられます。デメリットは、(1) 胸に5cm程度の傷ができる、(2) 採取後の胸の痛み・気胸リスク(稀)、(3) warping(湾曲変形)のリスクで、採取直後はまっすぐでも数か月〜数年で曲がるケースがあります[4]。経験豊富な医師は、warping予防のためにdiced cartilage(細切軟骨)の活用や中央部のみ使用といった対策を取ります。

SEGの3つのグラフト固定法 — bridge/spreader/clocking technique

SEGの3つの固定法|bridge / spreader / clocking

SEGには、グラフトの形と固定方法によって3つのバリエーションがあります。Byrdらが1997年に体系的に記述した手技で、現在のSEGの基本となっています[1]

固定法グラフトの形主な効果
Bridge type鼻中隔の両側に板状軟骨を挟む強力な延長・安定
Spreader typespreader graftの延長版鼻筋の高さも同時に向上
Clocking type鼻中隔の片側に重ねる左右差の修正

固定法の選択は症例次第

3つの固定法はそれぞれ得意領域が違い、医師の判断で選択されます。Bridge typeは最も強力で、大量延長が必要な症例向け。Spreader typeは鼻筋の幅と高さも同時に整えたい症例向け。Clocking typeは鼻先の左右差や曲がりを修正したい症例向けです。事前のシミュレーションで、自分の症例にどの固定法を用いる予定かを確認しておくと、医師の考え方の根拠が見えやすくなります。カウンセリングガイドに診察前の準備リストを載せています。

ダウンタイム|実際の経過

SEGのダウンタイムは、鼻整形の中でも長めです。鼻先の修正だけのcap graftより、鼻中隔まで操作する分だけ腫れ・固定期間が長くなります。

時期主な症状・状態日常生活への影響
当日麻酔が切れて痛み・腫れ・少量出血・ギプス固定安静必須・冷却・絶対安静
翌日〜5日腫れピーク・内出血・ギプスあり外出困難
1週間抜糸・ギプス除去・腫れが6割引くマスクで近距離外出可
2〜3週間腫れが大幅に引く・赤みが残るマスクなしでも目立ちにくい
1〜3か月形がほぼ落ち着くメイクで対応可
6〜12か月最終仕上がり・軟骨の完全安定

「ギプス1週間+腫れ3週間」の実態

SEGでは、術後1週間のギプス固定が必要で、ギプス除去後も2〜3週間は腫れが目立ちます。30代女性の場合、2週間以上の有給またはテレワーク期間を確保するスケジュールを組むのが一般的です。大型連休(GW・夏季休暇・年末年始)の前後に組むのが定番。連続有給がとりにくい職場の方は、長期連休とテレワーク移行を組み合わせる、転職・育休の前後に合わせる、業務委託期間中に受けるなど、実際の経過観察期間に合わせて柔軟に組まれているケースもあります。「結婚式まで2か月」のスケジュールではSEGは間に合わないため、目標日逆算なら最低でも6か月前に手術が必要です。

イベント逆算スケジュール例

効果はどのくらい変わるか

SEGの効果は、症例により異なりますが、先述のPark研究では、解剖学的な指標(鼻長・鼻先プロジェクション・鼻前頭角・コルメラ顔面角)が術後に有意に改善し、鼻長(N-TDP: nasion-to-tip 距離)が平均11.2%増加、コルメラ-顔面角が122.6°から111.1°へ自然な範囲に変化したと報告されています[2]。視覚的には、横顔で鼻先が前方・下方に伸び、正面で鼻孔の見え方が小さくなる変化が出ます。

項目変化幅の目安印象の変化
鼻唇角10°前後の改善横顔で鼻先が下向きに
鼻先プロジェクション2〜4mm増加横顔で鼻が前に出る
鼻孔の見え方正面から見える面積が減少「上向き」印象が和らぐ
鼻全体の長さ感鼻先が伸びて長く見える大人っぽい印象に

「伸ばしすぎ」の落とし穴

SEGで鼻先を伸ばしすぎると、不自然に長い・とがった鼻先になり、笑顔のときに不自然な動きが出るリスクがあります。Won・Jinの2010年の韓国人52例の修正手術研究でも、初回SEGの過剰延長やアロプラスト関連トラブルが修正手術の主要な原因として報告されており、過剰延長は鼻先の硬さ・不自然な動き・将来的な吸収のリスクにつながるとされています[5]。経験豊富な医師は、患者の元の鼻唇角・顔全体のバランスを計測したうえで、女性で95〜100°、男性で90〜95°を目安に延長幅を調整します。

リスク・失敗・修正

SEGは鼻整形の中でも侵襲が大きく、合併症のリスクも他の鼻整形より高めです。先述のParkらの研究でも、修正を要する合併症が一定割合報告されています[2]

頻度症状持続対応
非常に高い腫れ・内出血2〜3週間冷却・経過観察
高頻度鼻先の硬さ3〜12か月マッサージ・経過観察で軟化
高頻度鼻先の知覚低下3〜6か月自然回復
中頻度傷跡の赤み(open法)3〜6か月テーピング・UVケア
低頻度左右差・グラフト偏位持続修正手術
低頻度軟骨吸収・グラフト変形(warping)持続修正手術
低頻度鼻閉(鼻づまり)持続することも鼻中隔矯正の併用
感染1〜2週間抗生剤・グラフト除去
稀(肋軟骨採取)気胸緊急処置

修正手術は鼻整形のなかで最も難易度が高い

SEG後の修正手術は、鼻整形の中でも最も難易度が高い領域とされています[5]。理由は、(1) 鼻中隔軟骨が初回ですでに使われているため、修正用の軟骨を肋から採取する必要がある、(2) 瘢痕組織が多く、解剖が初回と大きく変わっている、(3) 1度延長した鼻を短くする「逆方向」の手術は、軟骨支えの再構築が必要で時間がかかる、の3点です。料金も初回の1.5〜2.5倍に上がるケースが多く、SEGは初回の医師選びが鼻整形のなかでも特に重要な施術と言えます。安全性ガイドで医師選びの軸をまとめています。

「鼻閉(鼻づまり)」が術後に出ることがある:鼻中隔軟骨を操作するため、術後に鼻づまりが出るケースがあります。多くは数か月で改善しますが、鼻中隔湾曲症が元々あった方は、SEGの際に鼻中隔矯正(鼻閉改善目的の保険手術)を同時に行う選択肢があります。鼻づまりの自覚症状がある方は、事前に医師に申告して併施を検討してもらうのが望ましいです。

料金相場

料金表示について:以下の料金は税込の相場目安です。実際の料金はクリニック・素材・術式によって異なり、麻酔代・術後検診料・抜糸代が別途発生する場合があります。

方法料金相場特徴
SEG(鼻中隔軟骨のみ)60万円〜90万円標準的なSEG
SEG(耳介軟骨併用)70万円〜100万円軽度〜中等度延長
SEG(肋軟骨)100万円〜150万円大量延長・修正向け
SEG+隆鼻術セット120万円〜180万円鼻全体の同時手術
修正手術(肋軟骨)130万円〜200万円初回SEGの修正

「セット価格」の落とし穴

SEGは料金が高額なため、「鼻全体パッケージ」「SEG+鼻先+小鼻セット」のような表示で総額が安く見える場合があります。各施術の料金が個別に見て納得できるかを必ず確認してください。SEGは技術料が大きい施術なので、極端に安い場合は医師の経験年数・症例数を確認します。美容整形全体の費用感と並べて見ておくと、SEGの相場が突出して高い理由が見えてきます。支払いガイドには医療ローンと分割の比較表を載せています。

他施術との併用|鼻全体のバランス

主訴SEGの役割併用候補
短い鼻だけ主役単独でOK
短い鼻+鼻筋が低い方向修正隆鼻術(プロテーゼ・自家軟骨)
短い鼻+鼻先が丸い方向+長さ鼻尖形成(縫合法)
短い鼻+小鼻が広い方向修正小鼻縮小
笑ったときだけ上を向く—(SEG不要)人中ボトックス
鼻筋もまっすぐにしたい骨切り+SEG
鼻先が丸い・団子鼻団子鼻の改善鼻尖形成と同時施術が一般的
「鼻を高くしたい」総合検討鼻を高くする方法全方法の比較から

「全部同時」よりも段階的に

SEG+隆鼻術+小鼻縮小の3つを同時に行う「鼻全体セット」が提案されることがあります。同時手術は1回のダウンタイムで済むメリットがある一方、合併症が出たときに原因の切り分けが難しくなります。1段階目はSEG単独、半年〜1年経過を見て必要な追加手術を検討する段階を踏むやり方のほうが、最終的な満足度が高いケースが多くあります。SEGは仕上がりの判断にも時間がかかるため、半年から1年は経過を見ながら次の判断をするくらいのペースが無難です。

術後のケア|結果を最大化する過ごし方

時期すべきこと避けるべきこと
当日〜5日冷却・絶対安静・処方薬の服用飲酒・激しい運動・サウナ・うつ伏せ・鼻をかむ
5日〜1週間ギプス保護・処方薬を続ける強い洗顔・鼻に荷重・メガネ常用
抜糸後(7日〜)テーピング・UVケアサウナ・激しい運動・鼻を強くかむ
1〜3か月テーピング継続・UVケア徹底・形のマッサージ傷跡を強くこする・鼻を強くかむ
3〜12か月定期検診で形の安定を確認強い衝撃(スポーツでの鼻打撲等)

SEGで特に注意したいのは、術後3か月間は鼻を強くかまないこと、1〜3か月の形のマッサージメガネ常用の制限の3点です。鼻を強くかむと固定中のグラフトがずれるリスクがあるため、最低1か月は片方ずつ静かに行います。1〜3か月の形のマッサージは、腫れの引き方や軟骨周囲の組織反応をコントロールするために重要で、医師の指示通りに行います。メガネは術後1〜3か月は鼻パッドの荷重でグラフトがずれるリスクがあるため、コンタクトレンズへの切り替え・軽量メガネ・鼻パッドを外す持ち方などを医師と相談しておきます。カウンセリングガイドに診察前の準備リストを載せています。

よくある質問(FAQ)

Q. 鼻中隔延長の効果は、ずっと続きますか?
基本的には長期的に続きますが、移植したグラフトの一部が時間とともに吸収されたり、特に肋軟骨を使った場合は数年経って湾曲(warping)が出るケースもあります。長期の安定性を求めるなら、(1) 鼻中隔軟骨を第一選択にする、(2) 肋軟骨の場合は中央部のみ使う・diced cartilage(細切軟骨)を組み合わせるなどの工夫がある医師を選ぶ、(3) 術後の固定期間・マッサージ指示を守る、の3点が大切です。
Q. 鼻中隔軟骨と肋軟骨、どちらを選べばいいですか?
第一選択は鼻中隔軟骨です。強度・採取の侵襲・解剖学的整合性のすべてでバランスが良く、初回手術なら鼻中隔で十分対応できるのが一般的です。肋軟骨を使うのは、(1) 鼻中隔軟骨が量不足の症例、(2) 修正手術、(3) 大量延長が必要な症例、の3つです。胸に5cmの傷ができる・ごく稀ですが気胸のリスクがあるため、必要性のない症例で肋軟骨を選ぶのは過剰になります。
Q. ダウンタイムはどのくらいかかりますか?
ギプス固定が1週間、腫れのピークが1〜5日、外出可能になるのは抜糸後(7日〜)、形がほぼ落ち着くのは1〜3か月、最終仕上がりは6〜12か月が目安です。鼻整形の中でも長めなので、2週間以上の有給またはテレワーク期間が確保できるタイミングで組むのが実際的です。
Q. SEGをやると鼻が硬くなるって本当?
術後数か月は鼻先が硬くなるのが普通です。これはグラフト軟骨と周囲組織の癒着・瘢痕化によるもので、3〜12か月かけてマッサージや経過観察で軟化していきます。ただし、グラフトを大きく入れた症例では完全には元の柔らかさには戻らず、ある程度の硬さが残ることがあります。鼻先を触ったときの感触が変わることを受け入れられるかが、SEGを選ぶときの判断ポイントの1つです。
Q. 術後に鼻が詰まることはありますか?
鼻中隔軟骨を操作するため、術後数か月は鼻づまりが出るケースがあります。多くは時間で改善しますが、元々鼻中隔湾曲症があった方は持続することがあります。事前に「鼻づまりの自覚症状」を医師に申告し、必要なら鼻中隔矯正(保険適用の鼻閉改善手術)を同時に行う選択肢を相談しておくとよいです。
Q. 笑ったときだけ鼻先が上を向きます。SEGで治せますか?
これは鼻先下制筋(depressor septi nasi)の働きによる動的な変化で、解剖学的な「短い鼻」とは別の問題です。SEGは「無表情でも上向き」の症例向けで、笑ったときだけ上を向くケースには人中ボトックスでの対応が適しています。鼻先下制筋にボトックスを少量注入することで、笑ったときの上向き動作を抑えられます。
Q. SEGで「不自然に長い鼻」になりませんか?
伸ばしすぎるとそのリスクはあります。経験豊富な医師は、患者の元の鼻唇角・顔全体のバランスを計測したうえで、女性で95〜100°、男性で90〜95°を目安に延長幅を調整します。「もっと伸ばしてほしい」という患者希望に対しても、適正範囲を守る医師を選ぶことが、不自然な仕上がりを避ける重要なポイントです。
Q. 満足できなかった場合、修正はできますか?
可能ですが、SEGの修正は鼻整形の中でも特に難易度が高い領域です。鼻中隔軟骨が初回ですでに使われているため、修正用に肋軟骨を採取する必要があるケースが多く、瘢痕組織の処理にも時間がかかります。SEGは初回の医師選びが鼻整形のなかでも特に重要な施術と言えます。
Q. 肋軟骨を採取せず、延長量を増やす方法はありますか?
3〜4mm程度の中等度延長までであれば、鼻中隔軟骨と耳介軟骨の組み合わせで対応できるケースが多いです。鼻中隔軟骨はL字型支柱を残したうえで採取量に限界があり、耳介軟骨は曲がりやすい性質があるため、5mm以上の大きな延長や強い支えが必要な場合は肋軟骨が選択肢に入ります。どこまでを採取で済ませられるかは、術前の鼻中隔の厚み・形・既往の有無で大きく変わるため、複数院で評価を聞いてから決めるのが安心です。
Q. SEGをやった後、メガネはいつから使えますか?
術後1〜3か月はメガネが鼻根に荷重をかけるため、グラフトがずれるリスクがあります。普段メガネを常用する方は、コンタクトレンズへの一時切り替え・軽量メガネへの変更・鼻パッドを使わない持ち方などの対策が必要です。3か月以降は通常通りで問題ないことが多いですが、医師の指示を優先してください。
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参考文献(PubMed 収載論文)

  1. Byrd HS, Andochick S, Copit S, Walton KG. “Septal extension grafts: a method of controlling tip projection shape.” Plast Reconstr Surg. 1997;100(4):999-1010. PMID 9290671
  2. Park JH, Mangoba DC, Mun SJ, Kim DW, Jin HR. “Lengthening the short nose in Asians: key maneuvers and surgical results.” JAMA Facial Plast Surg. 2013;15(6):439-447. PMID 24030660
  3. Jang YJ, Min JY, Lau BC. “A multilayer cartilaginous tip-grafting technique for improved nasal tip refinement in Asian rhinoplasty.” Otolaryngol Head Neck Surg. 2011;145(2):217-222. PMID 21521887
  4. Kim JH, Jang YJ. “Use of diced conchal cartilage with perichondrial attachment in rhinoplasty.” Plast Reconstr Surg. 2015;135(6):1545-1553. PMID 25724060
  5. Won TB, Jin HR. “Revision rhinoplasty in Asians.” Ann Plast Surg. 2010;65(4):379. PMID 20841994

本記事は上記の学術文献をもとに作成しており、医療情報の正確性を担保するため、すべて PubMed(米国国立医学図書館 NLM 運営の学術論文データベース)収載論文を出典としています。

鼻整形 ガイド (12 / 23)

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